涙雨
シナリオ・センター代表の小林です。しとしとと降る雨、涙雨です。
今朝、出身ライターでセンター講師でもあった高山由紀子さんをお見送りしてまいりました。
ご長男の尚紀さんが「どんな時にも映画のことを考えていた」とお話しされていましたが、細い体のどこにこれほどのエネルギーが隠れているのだと思うほど映画への情熱がほとばしっていた彼女の姿を想い出します。
今年になって、私の身近な人が相次いでいなくなってしまいました。
後藤さん、高山さんをお送りして、高校時代の仲間の一人も逝き、私たちの活躍してきた時代は去ってしまったとしみじみ思います。
今までなかった災害が地球上あちらこちらを襲い、世界中で紛争が絶えることなく大きくなり、社会情勢は悪化の一途をたどっている昨今を見るにつけ、厭世的な気分になってしまいます。
ですが、その反面、ここで力を奮い立たせないでどうするという気持ちも湧いています。
新井が逝ったときも途方に暮れたじゃないか、でも、あれから26年、センター生は増え、出身ライターの方々はすごく活躍してくださっているじゃないか、コンクールも受講生がほとんど制覇しているじゃないか、次世代の講師も育っているではないか、コロナ禍でもオンライン化して何とか凌いだじゃないか、
いいことだけ挙げていくと、気持ちは前を向きます。
できないことを数えるよりできることを数えよう、自分自身を鼓舞しているところです。珍しくセンチになっている小林でした。
小説の極意
今日は第22回「女による女のためのR-18文学賞」で友近賞を受賞された義井優さんが、月刊シナリオ教室のインタビューにおいでくださっています。
シナリオ・センタ―では、シナリオの技術、映像表現の技術をお教えしているので、小説作法は基礎講座のカリキュラムは入っていません。
でも、キャラクターづくりも構成も、実は映像で描くか文章で書くかだけで、創作の技術としては根っこは同じなのですね。
だから、たくさんの小説家が生まれているのです。
義井さんもそのお一人です。小説講座にもでていらしたそうです。
特にエンタテイメントは、シナリオライターはうまいといわれています。実際に二足の草鞋を履いていらっしゃる方もたくさん。
今100万部に迫る勢いの「三千円の使いかた」を書かれていらっしゃる出身作家原田ひ香さんが、「すばる文学賞新人賞」を受賞されたときの審査員の髙橋源一郎さんの「シナリオを描かれていたからこそ」のお言葉は、如実に表していると思いました。
映像表現を学ばれると、文章でも読者の頭の中に映像が浮かぶように描けます。これがシナリオを学んだものの強みだと思います。
基礎講座では、小説はお教えしませんが、脚本家で小説家の講師柏田道夫が、双方を体得した柏田道夫しか教えられない「小説講座」を行います。
『シナリオの技術で書く小説講座』を全3回で実施。
オンラインでのライブ配信と通学(対面)での実施となります。しかも、宿題には、柏田講師のコメントをつけて返却します。
小説を書いてみたいと思っていた方、そもそも小説家志望の方、小説ってどう書くのという初心者の方、さらにはシナリオで行き詰まっている方の、突破口を開きます。
シナリオ作家養成講座の講師でもあるだけに、シナリオの技術を具体的に使いこなすことで面白い小説が書ける方法をお教えできるのです。
あなたの想いの丈を思いっきり小説にぶつけてみましょう。
「シナリオの技術で書く小説講座2023」 カリキュラム
1回目 6/14(水) 「どんな小説を書くのか?」
・小説のかたち、ジャンルと枚数からのアプローチ
・小説とシナリオとの共通点と違い
※宿題 シナリオを小説にする
2回目 6/21(水) 「設定とテーマ、構造を決める」
・物語の設定の作り方、タイトル、視点、キャラクターの造り方
・うまい描写のためのテクニック、書き出し、比喩とオノマトペ
3回目 6/28(水) 「小説の描写・面白い小説を書くためのポイント」
・提出された宿題を元に、シナリオと小説の違いを認識する
・ショートショート・短編のポイント
・プロットの造り方、長編の構成法、推敲のチェックポイント
※宿題 実際のコンクールを想定してショートショートを書く
(〆切 7/10:20時厳守、作品はコメントをつけて順次返却します)
・1回目に短い宿題が出ます。柏田がコメントを付けてお返しします。宿題提出は任意です。
・完成作品の講評などは行いません。