小中学生の夏休みの宿題で最も悩む課題。それは読書感想文。
夏休みが終わりに近づいてきても、後回しにしちゃいがちで
ギリギリになってあわてて親御さんも手伝って書いちゃうと、
こどもが書いたとは思えない感想文が出来上がったり…。
なんでもいいから、とりあえず提出。それだと意味がありません。
こどもの力で読んで、書く、これが大事ですよね。
いや、そんなこと分かっているけれど、締切に間に合わなくて…という方。
今回は読書感想文が書けなくてお悩みの方にうってつけ。
『読書感想文の書き方』にお役立ていただける記事をご用意いたしました。
2023年の夏は、下落合図書館、東大島図書館、東陽図書館にて開催してきましたが
ポイントさえ、おさえたらこどもたちの力で、しっかりと書けていました!
講座を担当しますのは、新刊『シナリオ・センター式 物語のつくり方』も好評でお馴染み
新井です。 ※こちらもぜひ!
今回は冨金原がお伝えします。それでは早速、内容にいきましょう!
少し長いかもしれませんが、ぜひ、ご覧ください
■シナリオセンターってどんなところ?
新井
表参道にあるシナリオ・センターというところからやってきました。
何をやってるか会社かと言いますと感想文を教える会社…。
ではなくて、『シナリオの書き方をお伝えしているところ』なんです。
「え、ちゃんと読書感想文の書き方を教えられるの?」と疑問に思うかもしれません。
大丈夫です。安心してください。
まずシナリオ自体、なんなのか、分からない人もいるかと思います。
シナリオは、映画とかテレビドラマやアニメの台本のことです。
ちびまる子ちゃん、サザエさんの台本を書いている人たちも
シナリオ・センターで学んだ人たちなんです。
名探偵コナンの劇場版や朝ドラの『らんまん』もそうです。
そういう映画やドラマが面白くなるための書き方を伝えるのが
シナリオ・センターがやってることなんです。
そこで本題。『読書感想文の書き方』、何で『シナリオ・センターがお伝えできるのか』。
できます。
なぜなら、シナリオ・センターは作品を面白く作るために作者がどうやって考えてるかを知ってるからです。
ココを読んだら、何が書いてあるのか分かるよって教えられちゃうわけです。
■書く前に大事なこと。「本の内容を読めているのか?」
新井
僕自身も、小学生の頃は本の中身がよく分からないで、読書感想文を書いてました。
読んだ本は『トムソーヤの大冒険』。
トムが大冒険してるっぽいんだけど。全然理解できなかった。
結局、その読書感想文で「トムの大冒険がすごかった」って書いて。
先生に怒られました(笑)。
でも書けなかったのよ。当時の僕は。
今思えば、
「書くのが苦手の前に、読むのが苦手なんじゃないの?」
ということ。
読書感想文書けない理由は、そもそも本が読めない、感想を書く前にまず、読書ができていないんですよね。
そこで、『かんそう文を書くじゅんびバッチリシート』の出番です!
■書く前に大事なこと。「本の内容を読めているのか?
新井
僕自身も、小学生の頃は本の中身がよく分からないで、読書感想文を書いてました。
読んだ本は『トムソーヤの大冒険』。
トムが大冒険してるっぽいんだけど。全然理解できなかった。
結局、その読書感想文で「トムの大冒険がすごかった」って書いて。
先生に怒られました(笑)。
でも書けなかったのよ。当時の僕は。
今思えば、
「書くのが苦手の前に、読むのが苦手なんじゃないの?」
ということ。
読書感想文書けない理由は、そもそも本が読めない、感想を書く前にまず、読書ができていないんですよね。
そこで、『かんそう文を書くじゅんびバッチリシート』の出番です!
■ 読書感想文を書くポイント① 起承転結の『起』。まず、3つをおさえよう!
かんそう文を書くじゅんびバッチリシート(以下、バッチリシート)、
読書感想文講座では、このバッチリシート使って、読書感想文の書き方をお伝えしました。
ここですべては見せることはできませんが、ポイントのみお伝えします。
バッチリシートを使わなくても、このポイントをおさえたら
しっかり書けますのでご安心ください。
まず、物語は『起承転結』という4つのパートでできています。
起承転結の『起』に注目。
『きしょうてんけつ?』…むずかしいと思わないでください。
それでは各パートごと解説していきます。
『起』。これは話の始まりの部分です。
『起』では3つのポイント
①天…どの時代
②地…場所とか舞台はどこか
③人…どんな人か
をチェックします。
作者は、この3つを本の最初の方に書いています。
①どんな時代なのか、
②場所や舞台の話なのか、
③どんな人か
なぜなら読者に、この3つのポイントをはやめに伝えないと、どんなお話なのか、
読んでいる人は分からなくなってしまいます。
だから、作者は物語の最初の方に書いて分かるようにしてくれています。
それでは早速3つ(天地人)をチェックしましょう!
※天(いつ・時代)について…江戸時代みたいに分かりやすいのはすぐ書けるけれど、
書いてないのもあります。なければ、書かなくて大丈夫。なんとなくでも把握出来たらOKです。
@東大島図書館での様子。
お母さんのサポートもありつつ、シートを埋めている様子
■ 読書感想文を書くポイント② 物語を構成する『起承転結』の『承』を整理しよう
次は『承』です。
『承』は、
主人公に事件や事故など問題が起きては、解決。
問題が起きては解決をくりかえす
ところです。
物語の中でもっとも長い部分ですね。起承転結の全体の『承』は7割ほどをしめます。
作者は『承』がどうなったら物語が面白くなるのか考えてます。
例えば、
物語のはじめに2人の男の子を山に登場させたとします。
それから、山を登っていて、途中でお弁当でも食べようよって
おにぎりを食べて、二人で美味しいと言い合う。
そのあと昼寝して、「ああ、いい1日だった」という物語。
…これだとあんまり面白い物語とは言えません。主人公たちになにも問題が起きていないからです。
(面白いものもあります。あくまで基本的にということで…念のため)
『承』では、『起』で登場させた主人公たちをどうにかして困らせています。
主人公たちにどんな事件や出来事が起きているのかっていうのを探してみてください。
@下落合図書館
こちらは中学生向け。新井もサポートしながら、書いていきます!
■ 読書感想文を書くポイント③
物語のクライマックス『起承転結』の『転』=作者が伝えたいことをチェック
承を整理していると、いよいよ物語のクライマックス。
物語の1番盛り上がるところ、このクライマックスが『転』です。
作者は『転』で「この話はこういうお話」と伝えています。
つまり、『転』はテーマ=作者が伝えたいことを伝えるパートです。
主人公が何か気づいたり、できるようになったり。
勇気がなくて最初は行動や発言できなかったけど、できるようになったり。
そんな主人公の考え方や行動が変わるところをクライマックスで描きます。
主人がどう変わったか?に注目しましょう。
※余談
小学校の高学年向けの作品になるにつれて、このテーマっていうの直接的に言わなくなっていきます。
1年生2年生だと勇気を出してよかったね、とか友達ってやっぱ大切だねとかっていうテーマでを主人公が言ったりしています。作者としては、それを直接言わせずに伝えたいなと思っていますので、簡単には見つかれないかもしれません。
しっかり、読んでチェックしましょう。
@東大島図書館
お母さんのサポートもあり、しっかり書いていきます!
■ 読書感想文を書くポイント④ 物語の余韻 『起承転結』の『結』
『結』は本のラストの部分に描かれています。
ハッピーエンドで終わったのか、ちょっと悲しい感じで終わったのか、不思議な感じ終わったか?
なんだか怖い感じで終わったのか。チェックしてみましょう!
@東陽図書館
お父さんのサポートでどんどん書いていきます
■整理したら、後は書くだけ!
ここまでで、『起承転結』の4つのパートを把握することで、
本の内容はわかったはずです。
あとは4つのパートそれぞれ整理した出来事に対して
主人公と自分の似てるところ
主人公びすごいなと思うところ
自分ならどうするんだろうか
など、自分と比べてどうかな、と書いていきます。
これができたらあとは感想文を書くだけ!
お家で取り組むには親御さんの手伝いも必要かもしれませんが、
そんなに難しいことはありません。ぜひ、試してみてください。
※参考 参加者の皆さんが書いたバッチリシートです。
中学生は60分(下落合図書館) 小学校高学年(東大島図書館、東陽図書館)は120分でシートめいっぱいに書いています。
イベント運営の皆さまからアンケートと感想を共有いただきました。
■下落合図書館(アンケートと運営の方のコメント)
説明がわかりやすくてスラスラかけた。
感想文の書き方がよく分かったから。
感想文の書き方をひとりひとり丁寧に教えてくださったから。
私の『しろばんば』の本についてもお話しいただき、とても楽しかった。
ひとつひとつ細かく教えてくれて、読書感想文をすらすら書ける気がした。
佐伯さん(下落合図書館 イベント企画)
参加者のみなさんが書き方のヒントをつかんでくれたようで良かったです!
■東大島図書館(アンケートと運営の方のコメント)
まとめ方について勉強できてよかった。 バッチリシートは内容をまとめやすかったです。
こどもが楽しく講座を受けられました。
先生の説明の仕方なども良くて、とても楽しかったです。
こどもへのアドバイス方法など、大変勉強になりました。
先生からわからない事も教えてもらったから良かった。
作者が本を書く観点から読書感想文の書き方を学ぶことが出来て、親子で楽しめました。
神田さん(東大島図書館 イベント企画 )
先日は和気あいあいの中、読書感想文の書き方講座が開催でき皆さん楽しんでいらっしゃったようです。
ありがとうございました。
■東陽図書館(アンケートと運営の方のコメント)
苦手なことを教えてくれるからです
子どもだけでなく大人にも参考になる要素がたくさんありました。
小学生にもわかりやすいように優しく説明していただきありがとうございまし た
シナリオを作る立場からの解説で文章の構成についても解り、興味深い
読書感想文が書けそうです
鈴木さん(東陽図書館館長)
読書感想文講座ありがとうございました。
参加者の皆さんとても楽しんで取り組まれていて
大人も聞いていてそう組み立てていけばいいのかと大変興味深い内容でした。
以上となります。
今回もありがとうございました!いかがでしたでしょうか。
親御さんのサポートは必要かもしれませんが、しっかりと書けると思います。
宿題の締切間近だからと言って、大人の力で書いては意味がありません。
※昨今では大人の力で書いてしまい、読書感想文の宿題自体がなくなってしまうという話も聞きました…。
今回のご紹介した方法は、こどもたちが自分で感じたことをしっかり書けているのでおススメです!
こどもたちの想像力を侮るなかれ。
本は図書館で見つけて、今年の読書感想文も書いちゃいましょう!
それではまた!
シナリオ・センター冨金原