9月8日(金)全国公開される映画『禁じられた遊び』。
監督は、『リング』シリーズ、『スマホを落としただけなのに』『事故物件 恐い間取り』などを手掛け、ジャパニーズホラー(Jホラー)を代表する一人と云われる中田秀夫さん。橋本環奈さんとジャニーズWESTの重岡大毅さんがW主演を務めています。
原作は第4回本のサナギ賞で大賞に輝いた清水カルマさんのデビュー小説。
脚本を手掛けたのは、シナリオ・センター出身ライターの杉原憲明さん。
公開を記念して『月刊シナリオ教室』(10月号)では、杉原さんのインタビューと映画のシナリオを掲載。こちらのブログでは、本作に込められた想いとホラーを書きたい方へのメッセージをご紹介。
「いや、ホラーを書きたいわけじゃないし」という方。ジャンルに関わらず、シナリオを書きたい方すべてに当てはまるコメントをいただいておりますので是非参考にしてくだい。勉強になりますよ。
==あらすじ==
妻子と仲睦まじく暮らす伊原直人(重岡大毅)はある日、息子の春翔に死んだ生き物をよみがえらせる呪文を教える。そんな折、不慮の事故で妻の美雪(ファーストサマーウイカ)が他界。かつて伊原の同僚だった映像ディレクターの倉沢比呂子(橋本環奈)は美雪の事故を知る。そして、比呂子は伊原の家で、庭の盛り土に向かい、不可解なおまじないを唱え続ける春翔を目撃する―-
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本予告 映画『禁じられた遊び』9月8日(金)公開
「おも怖」というワードが定着してくれたら
〇杉原さん:中田監督が完成披露試写会でお話しされていたのですが、Jホラーとアメリカンホラーのハイブリッドでいこう、というのが今回のコンセプトでした。
この2つの違いを僕の感覚で言うと、Jホラーは、『リング』や『貞子』に代表される、家の中に何かいるとか、背後に何かを感じるような、じわっと、じめっとした怖さ。アメリカンホラーは、ジェイソンやゾンビのようにスプラッター的であったり、実際に襲ってきたりするタイプの怖さ。
今回は原作の世界観も踏まえて、じめっとしたものにはしたくなかったんです。そこは監督・プロデューサー・僕も含めて共通した意見でした。だから、美幸は実際に襲ってきますし、胡散臭い霊媒師も出てきたりして、遊びの要素をいっぱい入れました。
怖いところはしっかり怖いけど、ちょっとポップに面白く。主演の重岡さんが「おも怖」というワードを“発明”してくださって、「おも怖がこの映画の特徴なのかな」とコメントされていました。このワードが定着して、流行ってくれたら嬉しいなと思っています。
ホラーに限らず、シナリオには「驚き」がないと
〇杉原さん:ホラーを書きたい人は、ひたすらホラー映画を観るというのが一番いいかなと思います。見まくる。
で、実際に書くときは、書き方としてはシナリオ・センターで普段教わっている技術を使って、世界観をホラーにすればいいんじゃないかなと思います。「主人公はどこで変わるのか」とか、「何がカセになっているのか」とか、それはホラー以外のものを書くときと変わらない。
ホラーってゾっと怖がらせたり、驚かせたりしないといけないじゃないですか。でも、よくよく考えてみると、実はどんなジャンルでも驚かせないといけないんですよね、本当は。社会的な・道徳的なことを描くにしても、シナリオって「驚き」がないと、いいシナリオにはならないのでは、と最近常々思います。
ホラーに限らず、シナリオ・センターで学ぶ、「障害」や「カセ」を主人公にぶつけて、いかに観客を裏切るか、を考えていけばいいんじゃないかなと思います。
※以前お話しいただいた模様も併せてご覧ください。
▼マンガを実写化/映画『ニセコイ』脚本を担当して
※その他、シナリオ・センター出身の脚本家・監督・小説家の方々のコメントもこちらでご紹介。
▼脚本や小説を書く とは/シナリオの技術を活かして
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