報道か宣伝か
シナリオ・センター代表の小林です。トカラ列島では数日前から地震が続いていますが、大きな地震にならなければよいのですが。
九州という大雑把なくくりで言うのも失礼ですが、九州は、とくに台風、大雨などの災害も次から次へと続いており、今後も心配です。
北海道、東北も、東海にも警報級の大雨だとか。土砂災害など起きませんように。
それにしても日本中どこもかしこも災害に襲われているのに、お上がのんきなのはどうしてでしょうか。
こんな時に、内閣改造?ま、災害が起きていることがわかっていても宴会を続けていられるようなお上ですから、推して知るべしなんでしょうけれど。
何故か東京は大きな災害に合わず、自分の身に降りかからないから、感じない?気にならないのでしょうか。福島の魚を食べれば風評被害はOKという頭の構造と同じような気がします。なんとかしてよ~!!
今日本で一番問題なのは、お上とマスコミ。この二つがまともに機能すれば、日本は格段にいい社会になりうるのです。
マスコミの体たらくは、ずーっといわれているのに、いつまで大本営発表をし続けるつもりなのでしょう。
マスコミの意味は、情報を不特定多数の人に伝達するという意味ですから、その捉え方で言えば、今のマスコミものあり方は間違っていないかもですが、お上の言うことを垂れ流し、容認するのでは大本営発表と同じ、「宣伝」です。
戦後各新聞社は、大本営発表はもうしないと謝罪し、ジャーナリズムの復活を唱えたはずなのに、記者会見でもまともに質問をしない、お上にそぐわない質問は受け付けないというこの十数年のマスコミはひどすぎます。
人は皆違います。様々な考え、意見があるのですから、それを否定せずに、むしろそれぞれのマスコミ各社各局各メディアがジャーナリズムに則って、それぞれの見解で出してほしいと思います。
同盟通信
1936年、今から87年前に同盟通信という、イギリスのロイター通信、アメリカのAP通信、フランスのAFP通信に対抗する大日本帝国の通信社が誕生しました。
ニュースサービスを行う同盟の活動目的は、新聞通信社へのサービス、経済界へのサービス、そして国家へのサービスであり、具体的には海外局を中心として太平洋戦争における外国情報の蒐集、蒐集した情報の国内領布、日本の主張及び国内放送の対外放送(放送電報)。
10月13日から22日まで上演します。新宿シアタートップスにて。
劇団青年座公演「同盟通信」
このお芝居は、1936年に誕生した同盟通信で「報道」と「宣伝」の間で激しく葛藤した現場の記者たちのお話しです。
同盟通信社は、新聞聯合社(聯合)と日本電報通信社(電通)が合併して1936年に発足した。
同年12月の同盟通信の西安事件のスクープは、通信記者たちを大いに勇気づけた。と同時に、迫りくる戦争の足音が不吉な予感を漂わせる。
翌1937年、盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が勃発。
この頃から同盟通信は陸軍と密接な関係を持つようになっていく。
そして現場の記者たちは「報道」と「宣伝」の間で激しい葛藤を繰り返す。
外電を傍受した記者たちは日本の先行きを危惧し、海外の情報を武器に戦うのだが、ついに対米開戦が決定されてしまう。
やがて同盟通信は、国策の為に国民を扇動する宣伝機関に堕ちていった。
「報道」か「宣伝」か…戦時下の通信記者の視点から戦争報道の真実を描きます。
戦争へと自分達のペン一つで導いてしまうかもしれない同盟通信の記者たちの葛藤と同じように、今のマスコミ記者の方々も葛藤されていられるのでしょうか。
失礼ながら、今のマスコミの記者は、「報道」ではなく「宣伝」をしていることに気づかないのか、宣伝機関に堕ちている意識はないのか、ひたすらお上の言うことに疑問を持たず質問もしないことをみるにつけ、まったく葛藤はないように見えています。
そんなことはないといわれるのなら、それなりの矜持を持って報道していただきたいと願うばかりです。
是非とも、今のマスコミの方々にもご覧になっていただきたいお芝居です。
このお芝居をご覧になると、きっとご自分の持つ使命の大きさを感じていただけるのではと。
観劇希望の方は、シナリオ・センター割引でご覧になれますので、事務局へご連絡ください