シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センターの小林です。昨日は、東京も雷とゲリラ豪雨で電車が止まったり、遅れたりしました。
東北や北陸は、今日も雷と豪雨の予報が出ていますが、大丈夫でしょうか。
自然の猛威には、人間は太刀打ちできません。それでも自然すらねじ伏せられると思っている人達が世の中を牛耳っていることに恐怖を覚えるこの頃です。
出身ライターの内館牧子さんが「カネを積まれても使いたくない日本語」(朝日新書刊)を出版されました。
早速、読みました。「愚かな日本語があなたを滅ぼす」と帯に書いてあります。
日本語の使い方は、その場、相手、状況によって違ってくるわけですから、日本語って、本当に難しい。
内館さんらしい勇ましい本です。へり下るわけでも、持ち上げているわけでもありませんが、さすがだと思う。
『現代は、すぐ「偉そう」と非難され、仲間外れにされ、ネットで叩かれる。だから誰にでも気を使い、おもねり、断定しない。しかし、「気遣い」とオドオドと生きることは別だ。今こそ、断言すべきは断言する勇気と、的確に表現する豊富な語彙力を!』と書かれているように、日本語の乱れは、世の中の乱れと連鎖しています。
一番の問題は、有川浩さんも書かれていたように、人に対して寛容ではなくなっているからだと思うのです。いつの頃からでしょうか。
根本は、想像力の低下から来ているのではと私は思います。1+1=2のような、「いい国作った頼朝さん(鎌倉幕府1192年)」ような教育ばかりで、自分で考えることをおざなりにさせる教育をしてきたからだと私は思います。
自分の頭で、心で考えたら、相手のことや他の仲間のことを思うことは容易にできるはずです。自分の言葉でどう伝えたらいいかも考えられるはず。
他人との付き合いは、1+1=2ではありません。正解はありません。
シナリオは、常にアクションリアクションを想像して創ります。
日本中の人にシナリオを書いてもらいたいと思うのは、ここです。
シナリオを書くと自然に他人のことを考え、自分の言葉を探すからです。
瀬戸内寂聴さんがおっしゃるように「想像力は、他人を想う心」です。