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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

みつめる

小石川後楽園

冬きたりなば

シナリオ・センター代表の小林です。昨日の東京は、もはや冬でしたね。まあ、寒いこと、寒いこと。
急に寒くなって紅葉がきれいだというニュースを見たので、小石川後楽園にひとりで紅葉狩りにいってみました。
思っていたより紅葉はしておらず、むしろ冬枯れの景色に近い感じがしました。
それでも、都会のど真ん中の自然は心を癒してくれます。
キーンとした冷たさと樹々から発するきれいな空気が五感の隅々までいきわたり、深呼吸をすると溜まりにたまっていた悪いもの(?)が出ていくような気がしました。
樹々の力って本当のすごい。自然というものがいかに大事か、何百年も人間を守って来てくれた樹々を伐採するなどとんでもないことだと思います。

小石川後楽園には、もう10年以上前になるでしょうか。シナリオ・センターの有志で、最高顧問で作家集団の堀江史朗先生を師に俳句の会を月に一度行っていました。
睡蓮が咲いていた頃ですから5月くらいだったでしょうか、小石川後楽園に吟行へいったことがあります。
その時の句会で師に過分なお褒めに預かり、多くの方に票を入れていただいた句が、私の最高傑作となりました。
それまで、「小林さんの句はコピー(広告文)だね」と師によく言われていました。奥が深くないのです私の句は。
コピーライターだったから、票とり、うけ狙いはうまいんですけれどね。(笑)
堀江先生が亡くなられてからは句会も途絶え、私自身も俳句を創ることもなくなりました。
小石川後楽園で佇みながら、ふと思いました。
先日、句会の仲間だった講師から俳句をまた始めたと、その時はそうなんだと思っただけでしたが、どこかで私もと思っていて、ここに来たのかもしれません。堀江先生のお導きだったのかもと。
「睡蓮の 白無になりて ひとり立つ」
帰りに、本屋によって、今人気の夏木先生の俳句の本を買いました。

オリジナル脚本

城戸賞の発表がありました。
準入選 長濱亮祐さん 
佳作 キイダタオさん 
おめでとうございます。
長濱さんは、先日「ミソ帳フェス2023」でご講義いただいた出身ライター加藤正人さんの勉強会でもお勉強されていたそうです。
書き続けることこそがプロへの道なのです。

映画界もテレビ界も、原作ものから、オリジナルを求める方向になってきました。
テレビドラマの全盛期は1970年から80年代。今も語り継がれるドラマが目白押しでした。
山田太一さん、倉本聰さん、向田邦子さん、早坂暁さん、平岩弓枝さんらが活躍され、もちろんオリジナル脚本でした。
あの頃は13回クールが主体でしたが、平岩弓枝さんの「ありがとう」パートⅠは30回、パートⅡは52回1年間という長丁場でした。そんな長丁場のオリジナル脚本のドラマがたくさんあり、視聴率も高く、脚本家の時代と言われています。
今も現役で頑張られている倉本聰さんの「北の国から」は、1981年に始まり、連ドラが終了後は、83・84・85・87・89・92・95・98・2002年とスペシャルで放映されて、子役だった二人の成長を、視聴者も共に見守ってきました。
かくも長きに渡って面白いドラマを創ってこれたのは、オリジナル、作者の腕であり、作家の目なのだと思います。
倉本聰さんの「北の国から」は、放映終了後もずーっと成長のドラマをしっかりとプロットを作られていたそうです。
脚本家時代の放送枠は、基本13回が1クールでしたが、半年、1年のクールもあり、シリーズ化も多く、それができたのは、キャラクターがきちんとできあがっていたからこそでした。
如何にキャラクターが大切かわかりますね。

また巡ってこようとしているオリジナルの時代、これこそシナリオライターの腕の見せどころです。
是非とも新たな時代を創るべく頑張っていきましょう。
来年は、素晴らしいオリジナルドラマがたくさん生まれますように。

そういえば、柏原寛司さん、大川俊道さんらが脚本を担っていた人気ドラマかの「あぶない刑事」、こちらも出身ライターの大川俊道さん脚本で来年5月に「帰ってきた危ない刑事」が上映。
ね、キャラクターができているとこうなるんです。
タカ&ユージの活躍が見ものです。72歳なんですって。どんなに歳を取っても基本のキャラは変わりません。

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