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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

アンテナ

初冬の一日

言葉

シナリオ・センター代表の小林です。今日は小春日和。きれいな青空と南風の東京。嬉しいような、恐ろしいような微妙な気分です。
この気候変動って、わずか200年くらいで人間が壊してしまったわけですよね。
地球ってどこまでもつのだろうか、若い人たちに未来はあるのか・・・なんて考えてしまいます。
しかも人心も末期、ろくでもない人たちがぞろぞろ、それがお上だときている、ああ、タメ息しかありません。お上の口から出まかせばかりを毎日聞かされていると、頭がおかしくなりそうです。

急に派閥から離脱して党を立て直すとか、党本部に来て写真も撮った人を忘れたと言い張る人が、口を開けば中身のない空疎な言葉を並べ立てる。かと思えば、驚くような屁理屈を平気でまかり通そうとする輩もいる。
「日本の木材建築技術はすごく貫(ぬき)工法といって、釘を使わないのに耐震性がすごく強い芸術的な作り方。これと同じ工法で(リングは)作られている」と豪語した御仁が、実はボルトを使っていることに対して「より安全を実現する必要のあるところに一部、金具を使っている。金具を使って強化しているところはある、ということです。」だって。
いやいや、それはね、伝統的貫工法といわないのです。まがい物です。
清水寺をはじめ多くの歴史的建造物に使われている貫工法をよく見てください。
万博で創ろうとしているものは、ただのまがいもの。貫工法まがい。
そんなものに多額なお金を使うって、大阪のお上も経団連のお上も、己の文化芸術への無教養を恥ずかしいとは思わないのでしょうか。
左を見ても右を見ても恥ずかしげもなく嘘初百。世界、日本の人々に、私は穴があったら入りたいほど恥ずかしいですけれど。
もう、空虚な嘘つき言葉を羅列するのはやめてください。

プロになる

今、「ネタが浮かばない人のための発想法とメンタル強化講座」が行われています。
「ちびまる子ちゃん」のオリジナルストーリー220本を執筆した現役脚本家 田嶋久子さんによる、発想法とメンタルの持ち方についての特別講座です。
こんなアプローチの講座は初めてで、しかも久々にオンラインなしの対面のみという講座で、3階ホールは超満員。(もちろん間をあけているので最高60名しか入れないのですが)
私もお聞きしようと思ったのですが、座るところないですけれどいいですかとスタッフ。こんなホールの姿を見るのは3年ぶり。
みんな、プロになるために頑張ろうとしているのだなぁと頼もしく思いました。
でね、プロを目指す方は、プロになれるかどうかではなく、プロになるにはどうしたらいいかを考えなくてはいけません。
この微妙なニュアンス、能動か、受動かで意識が違いますから。
初めてのこの講座では、田嶋さんが現役の脚本家として、現在直面していることも含めて、多くの経験から培ったプロになるノウハウを、座学だけでなく実践をとおして可能性を広げてくれます。

そして、プロになるための一番大事なことは、ただひたすら描き続けることです。
「描き続ける」ことができる人がプロになる、「描き続けた人」がプロといわれるのでしょう。

プロについてもうひとつ。
昨日、出身ライターの山本むつみさんが、明日から放映の「あきない世傳 金と銀」(NHKBSプレミアム)のポスターをお持ちくださいました。
その後二人で軽く一杯を楽しみました。結局、軽くではなく遅くまで話し込んじゃいましたが。(笑)
いつもおしゃべりをしながら感じるのは、山本さんの知識欲のすごさと行動力。
面白いと感じたものへの確かな知識を得ようとする姿勢は半端ないのです。
それが感性を磨く、作家の目を作ることだと私は思っています。
「あきない世傳 金と銀」は高田郁さんの時代小説が原作ですが、山本さんは取材に答えて、こうおっしゃっています。
「原作の雰囲気を大事にしつつ、小芝さんが幸を演じられるということで、キュートな魅力が全開になるように、原作よりアクティブな幸にしています。
そして、ときめきも欲しいので、智蔵さんとのラブストーリーもしっかり作らせていただきました」と原作との違いを。
また大切にしているポイントを「43分間飽きさせないよう、そして普段時代劇をご覧にならない方でも面白いドラマになるように展開を早くして、飽きないドラマになるようにしました。
原作の中に商いの知恵と知識が多く書かれていて、物が売れにくい現代で、皆さんがいろいろ考えていただけるよう、原作にある商いの心みたいなものをうまく表現できるように考えながら書かせていただきました」
原作だけに頼るのではなく、放映する今どういう切り口にすればよいかを考えるのですね。
山本さんの確かな作家の目を明日ドラマで感じていただけると思います。

創作する者は、常にアンテナを張っているということ、アンテナにひっかかったら、とことん追求することが大切だと思います。
来る2024年、プロになる。

 

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