シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。こう蒸し暑いと、着るものも、どうも涼しい、ラク・・・この2点で選んでしまいます。
何を着ていこうか、毎朝悩んでおります。高橋真利子の夢一夜じゃないけれど
「♪着ていく服がまだ決まらない、苛立たしさに唇かんで・・・♫」、毎朝苛立ちます。
あまりの蒸し暑さに、特にラクに涼しく過ごせるかにポイントがおかれがちです。
とはいえ最近は、業界以外、大学などの教育関係や一般企業というのでしょうか、ちゃんとした会社(何をもってちゃんとしたというかは定義ではありません)に研修や打ち合わせにお伺いすることが多くなり、それなりの服装を考えないと・・・。なので、深く悩みます。
特にここ数年、私自身の体形のせいだけではなく(笑)、世の中の流れはラクチンファッションが増え、スーツできめることがなくなりました。女性でスーツを着ている人を見るとリクルートかと思うほどですもの。特に夏はね。
でも・・・竹内一郎さんの「やっぱり見た目が9割」(新潮新書刊)を拝読したら、やっぱり考えちゃいました。
人は相手を0,5秒で判断していると書かれていたからです。
「人は見た目が9割」の続編です。100万部突破したミリオンセラーから8年。第2弾は、非言語コミュニケーションの本質、威力、面白さを論じています。
竹内さんは、『「言葉の意味」を伝えただけでは「伝えた」ことにはならない。「どんなしゃべり方で」「どんな表情で」「どんなアクションで」伝えるかによって、伝え方は天と地ほども違う』と書かれています。
そうです、これこそシナリオです。非言語コミュニケーションは、映像表現の最たるものです。
「セリフは嘘つき」と創設者の新井一が言っているように、言語でないところに、伝え方見せ方があるんです。
『テレビと漫画においては「非言語情報」が占める割合が、新聞や活字の本よりも圧倒的に高い。そのため情報の受け手が想像力を働かせなくても「だいたい、わかる」ほど伝達されてしまう。ここが曲者なのである。』
私がずーっと懸念している想像力の欠如というのは、こういうところから生まれているのかもしれません。
『テレビや漫画だけ見ていて「詩を読んで絵を頭の中で描く」能力は磨かれるだろうか』と竹内さんも心配しています。
竹内さんは劇作家であり漫画原作者で演出家でいらっしゃるので「字を絵にする」ことの大事さを肌で感じているのです。
『絵を頭の中で描く』ことが苦手な人はコミュニケーションのチャンネルが減ってしまうのである。「字を絵にする」能力が磨かれなければ「絵を字にする」能力も磨かれるとは思えない。それは五感で感じたことを言語化できないということだ。「美しい」と感じたもの、「おいしい」と感じたものを他人に伝えることができない。(略)言葉という道具を巧みに使う叡智は、人間だけ与えられた喜びである。言葉から「絵を作る作業」と絵から「言葉を作る作業」」、人間にはどちらも必要なものである。』
シナリオを書くことは、そのどちらも満たしています。
シナリオを書くことは、おのずと想像力を発達させてくれます。
やっぱりシナリオでしょ。