新年会
シナリオ・センター代表の小林です。シナリオ・センターの新年会を行いました。講師・スタッフオールスターキャスト(笑)で近所のイタリアンを貸し切ってのランチ新年会です。
センターは、総勢は60名ほどなのですが、残念なことにコロナとか体調不良の方も多く50名弱の集まりになりましたが、久しぶりのせいか、めちゃくちゃ盛り上がり、みんなおしゃべりや食事を楽しんでくれていました。
コロナ禍からなかなか一堂に会するチャンスはなかったので、今更ながらこんなにたくさんの講師・スタッフにシナリオ・センターは支えられているのだということを実感しました。
こういう日が戻って来たことを嬉しく思うとともに、まだ冷たい雪の中で避難を余儀なくされていらっしゃる方々を思うと心が痛いです。
元気なところは元気に支援できる体制を作ることがいいのだと教えてもらった東日本大震災の教えを頼みに、元気な私たちがより頑張って支援していきたいと思っています。
来年はシナリオ・センター55周年、もうひと踏ん張り頑張れねばとみんなの笑顔を見ながら、ちょっと気持ちを引き締めたひとときでした。
脚色
漫画家の芦原妃名子さんの突然の訃報に、シナリオ業界が騒然として、センターにも取材がきたほどです。とても痛ましく悲しいことですが、シナリオ・センターはコメントを出すような立場ではないのでお断りしました。
SNSで様々な方へ誹謗中傷がきているようですが、私は誰が悪いとかそういうことではないと思うのです。
原作をテレビドラマ化、映画化することが多い昨今、創作とは何かという根本のところを考えなくてはいけないのかと思います。
原作をシナリオ化することを脚色と本来は言います。今は脚本という形でクレジットされていることが多いですが、そこは線引きしたほうがいいのではないかと私は思っています。
脚色は、漫画や小説などを、映像として、演劇として放映、上演できるように、それに適した形にすること。
また、比喩的には面白くするために誇張したり、粉飾したりすることです。
脚色の意味を、原作をシナリオ化するときに、きちんと原作者、脚本家、プロデューサー、監督など作品に携わる方々が、共通認識を持つことが大切だと思うからです。
原作者の方には、映像では見せ方伝え方の仕組みが違うことを間に入る方々がきちんと理解してコミュニケーションをとること、小説や漫画では表せたことが映像では表せないこともあることやテレビドラマ、映画を観る人向けに変化させたいことをわかっていただくことが製作する者の役目ではないでしょうか。
そこをあいまいにしてしまうと、このような痛ましい悲しいことが起こるのではないかと思うのです。
脚色については、今までも原作者と製作者(脚本家だけでなく)ともめて、裁判沙汰にまでなったことは多々ありました。
誰がいいとか悪いとかではなく、原作者・脚本家それぞれの作品は、創作者として力を尽くしたものなのです。
原作を映像化したいと思うのなら、ちゃんとリスペクトした上で、理解しあえるように真摯に向き合って、徹底したコミュニケーションをとらなくてはいけないのだと思います。
人が命を削って創ったものを生半可な気持ちで携わってはいけない。
ものを創る、創作するということはどういうことなのか、大変さをふくめてすべての人にわかっていただけたらと願っています。