シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。嫌な天候が続きます。
大雨で浸水された山口島根の方々、お見舞い申し上げます。
「想定外」という言葉が東日本大震災、福島の原発事故以来、飛び交うようになりました。想定=ある一定の情況を仮に思い描くことのほか(外)というのは、一応想定していたけれど、それよりもっと違っていたってことでしょうか。
この大雨は『今まで経験したことのない』という形容詞がついています。経験値もなく想像もできないなんて、こんな怖いことはありませんね。
我が家のはるは、雷に、毎日尻尾を下げてブルブル震えています。なんだかわからないというのは、とても不安なものです。犬に向かってこれは雷というもので・・・と説明してもやはりブルブル震えていますが(笑)、人間だってやっぱり納得しないと不安なばかりです。事故処理もできないのに、原発は大丈夫っていえる根拠を教えて欲しいです。
先週金曜日、出身ライターの坂口理子さんの書かれたお芝居を観劇させていだきました。
テトラクロマット第1回公演「銀河廃線」です。この公演はWOWOWつながりから生まれました。
脚本の坂口理子さんと演出の福島敏朗さんはWOWOWシナリオ大賞の受賞者同士。そのつながりから、うまれた公演です。
シナリオコンクールもこういうつながりを生むとは・・・、つながる、縁というのは面白いものです。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフにしています。主人公のトキは思い出したくない過去に蓋をして、15年も引きこもりになっていた。ある夜親友のカンちゃんに連れ出され湖にいくと、沈む廃線に銀河鉄道が・・・ジョバンニのように銀河鉄道に乗せられたことで、蓋をしていた辛い過去と向き合い、元の世界へ帰っていけるようになるというお話です。
人形や布をつかい、黒を基調に光(ライト)をうまく使って幻想的な凝った演出で、お話もよくできていて、引きこまれるように拝見しました。
親友カンちゃんはじめとても魅力的なキャラクターが創られていて、正直言って役者さんがそれほどうまい人ばかりではなかったにも関わらず(ごめんなさい)、感動しました。
帰りがけ、バッタリお会いした出身ライターTさんは「泣いちゃいました。」と感激されていて、自分の作品でもないのに嬉しくなっちゃいました。(笑)
この秋には、坂口さん脚本、ジブリの高畑監督「かぐや姫の物語」が上映されます。
こちらも、かぐや姫をモチーフに、坂口さんがどんな切り口でみせてくれるのか、とても楽しみです。
お子さんを育てながら、シナリオライターとしてだけでなく、戯曲も小説も書かれるマルチな活躍ぶりをみせる坂口理子さん。今後の活躍を期待してください。