やるべきこと
シナリオ・センター代表の小林です。表参道は冷たい雨。能登はいかがなのでしょうか。
登山家で災害ボランティアをされている野口健さんが、昨日の3・11での岸田首相の言葉に、「もうお言葉なんかいらない!外国のメディアにソマリア難民キャンプ以下といわれる避難所に、具体的に動いて!」とおっしゃていましたが、その通り。
石川県アンテナショップの移転オープンに岸田首相、石川県馳知事、森元首相が満面の笑みでテープカットしていましたが、本当にこの人たちは、何一つわかっていない。今やることは違うでしょ。
あなた方が来なくても、石川県アンテナショップオープンのニュースだけでみんな買いにいきますよ、少しでも力になりたいと。
馳知事は東京へ来る必要もないし、岸田首相も、ましてやなんの必要性も感じられない森元首相などオープンに来ても意味などなく、誰が喜ぶのでしょうか。
その時間にやるべきことは、まだまだ手をつけなければならないことがいっぱいあるでしょ。
被災地はまだ断水のところがたくさんあり、避難所だけでなく車内避難だとか壊れた住居に住んでいらっしゃる方もたくさんいるのですよ。
せめて冷たい弁当ではなく避難所や地域にキッチンカーを出して、暖かいものを毎日食べられるようにするくらい、そんなに難しいことではないと思うのですが、それひとつできないの?
被災地の人々へはちゃんと目を向けてください。
あ、森元首相のできることあった。被災地に、あなたが五輪でこっそり蓄えたお金をまるまる寄付することです。
そこのところ、よろしく!
2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」を出身ライターの八津弘幸さんが執筆されるニュースがでました。
腹立たしい毎日に爽やかな風が吹いた気分です。
マリはすてきじゃない魔女
出身作家の柚木麻子さんが、初めて児童書を書かれました。
「マリはすてきじゃない魔女」(エトセトラブックス刊)
柚木麻子さんと言えば、女性同士の友情や関係性をテーマにした小説を書かれています。
「ナイルバーチの女子会」では山本周五郎生を受賞され、「ランチのアッコちゃん」シリーズはドラマ化され、人気を博しました。
「本屋さんのダイアナ」「BUTTER」「らんたん」など女性を様々な視点で描いてきた柚木さんの初めての児童書です。
魔女のお話しなのですが、やっぱり柚木さん、子どもに向けても人間の、女性の本質を書かれていらっしゃるのです。
破天荒でお勉強嫌いなのに魔女パワーのすごい11歳の魔女マリを主人公に、魔女と人間が仲よく一緒に住んでいる石の花町が舞台です。
このお話はもちろんファンタジーなのですが、さりげなく柚木さんらしいメッセージが潜んでいます。
人間のことをまず思いやることが、すてきな魔女だと教えられて頑張ってきた魔女とそれを当たり前のように享受していた人間たち・・・どっかの国のかんじがしませんか?
自分のことが大好きなマリも、人と関わりたくないマデリンも、ストレスのために星を壊したグウェンダリンも、人のために尽くしてきたモモも、魔女になりたいレイも、マリをうらやましがるエイミーも、天才人間のスジも、力がないと思っているマキさんママも、人は皆違っていて、力の出し方も出しどころも違っていてもいいことやジェンダーフリーなんて問題じゃない、差別なんてするべきものはないことなど、さりげなく面白く見せているところが柚木流児童書のような気がします。
なんせ、タイトルも素敵ではなく「マリはすてきじゃない魔女」ですから、いかにも柚木さんらしい。
「これがやりたいなぁ、これはやりたくないなあ、きょうはねていたいなあ、おなかすいたなあ、寒いのはいやだなあ。単純なようで、皆さんの内側から確かに湧いてくるそんな正直な気持ちは、大事な大事な魔法のタネです。
どうかそのタネを大切にして下さい。
空は飛べなくても、何をすると自分の心が大きくふくらむのか、それをわかっている人は、いつか、とても大きな魔法を使えるはずですから」
柚木さんのあとがきのラストです。
この本は、きっと子どもたちに魔法をかけてくれると思います。是非とも読ませてあげてください。
ワクワクしながら、きっと何かを感じてくれると思います。
自分の心がふくらむもの、大切ですね。
今、隣の教室では、魔法のタネを持っている子どもたちが「考える部屋」で、自分の夢を膨らませています。