気持ち
シナリオ・センター代表の小林です。シナリオ・センターは扉を閉め切っています。
全国的の強風は表参道にも吹き荒れ、まあすごい。音も激しくてちょっと怖いです。
皆様、くれぐれも気をつけてお歩きください。
どこから何が飛んでくるかわかりませんから。フットワークよく歩かなければ。
北陸新幹線延長のニュースに湧きかえっていて、被災地に様子はよくわかりませんが、風は、雪は、大丈夫なのでしょうか。復旧は進んでいるのでしょうか。避難所の待遇は良くなっているのでしょうか。
コロナにインフルエンザ、はしかも流行りだしているだけに心配です。
自民党は自浄努力というものを知らないのでしょうか。
裏金、旧統一教会など等で議員の資質を問われているのに、ダンサーを呼んでバカ騒ぎをするということ自体、正常な神経の持ち主はいないようです。
なにをしても、野党は支持がないから、なにをやっても議員でいられるとタカをくくっているのです。
さもなきゃ、まともに考えることができたら、こんなことを平気で続けられませんよね。
裏金議員も旧統一教会議員も自らの反省はなく、逃げ口上ばかり。
逃げがきかないことは記憶にないと、こんなボケた人ばかりに国は任せられません。
本当に悲しい。なんでこのような方たちばかりなのか。
世襲議員はいざ知らず、最初から志がなかったわけではないでしょうにと思いたいですが・・・。
定食屋『雑』
出身作家原田ひ香さんの新刊がでました。
昨秋に「喫茶おじさん」を出版され、ブックファーストで同時期に「シナリオ・センター式物語のつくり方」を出した新井一樹とトークセッションしてくださったばかりだと思っていたら、もう新たな小説が。びっくり!
「定食屋『雑』」(双葉社)
突然、離婚を突き付けられた30代の沙也加が、もしかしたらここで不倫をと疑う商店街の定食屋「雑」にいくと、そこにいたのは太めの背の低い「ぞうさん」と呼ばれる70代の女店主。
古い壊れかかった店で、しかも「すき焼きのたれ」が主体の味付けで、甘い、濃い。
「何故、夫は、私のこじゃれた栄養も考えたやさしい味の料理ではなく、この濃い味ご飯を食べていたのか、不倫の密会場所だったのか」を知りたくて『雑』でアルバイトすることにした沙也加。
沙也加は『雑』でぞうさんや常連客と接する中で、知らず知らずのうちに自分の知らない世界、考え方をみつけていきます。
原田さんお得意の食べ物屋さんを舞台に、1話コロッケから始まって、トンカツ、から揚げ、ハムカツ、カレー、握り飯と、料理と共に主公の沙也加、ぞうさんの考え方も想いも変化していきます。
原田さんの物語の紡ぎ方は、やさしく読者の心に寄り添ってくれるのですが、この定食屋「雑」のお話しも、一見「雑」に見える料理の神髄を知った時、こんな人生は悪くない、自分の生き方もありじゃない・・・とふ~っと大きなため息とともに、胸の奥に溜まっていた滓のようなものも一緒に吐き出される感じがします。
美味しいものをお腹がいっぱいに食べた時の幸せな気分に満たされます。
大切なのは、その料理に込めた料理人の想い、そっと振り入れた愛情というひとかけらのスパイス、それがさりげなく口の中でほどけた時に、豊かな心の滋養になっていくのだと思います。
創作という意味では、料理も小説もシナリオもまったく同じですね。
ひとかけらの私だけのスパイスを探しに、私の街の「雑」を探しにいきましょうか。