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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きる

災禍のなかで―今、考える<関東大震災>

未来

シナリオ・センター代表の小林です。お昼に青山学院の前を通ったら、小学1年生がカルガモ親子のごとく並んで歩いていました。春の日差しを浴びながらニコニコ顔で歩く姿になんだかホッとします。
と同時に、この子たちの将来が明るいものであるようにと思わず祈ってしまいます。

能登半島地震で、子どもたちがまるで戦時中のように疎開を余儀なくされたり、友達が減った学校で始業式を迎えたり、つらく悲しい思いをしている姿を見るたびに胸が痛いです。
3・11の後、まだ余震が続く東京で「もう私は好きなことしてきたから、いつ死んでもいいと思う」というようなことを言った時に、今出身ライターで大活躍している本田隆明さんに、とても強い調子で「僕はまだなんにもできていないのに、死ぬなんてイヤです!」と言われ、ハッとしたことを思い出します。
3・11から13年、あの時20代でいた本田さん。元気でいられたから本田さんの今のご活躍があるわけで、生きているからこそ幸せをつかむことができるわけですものね。
ちなみに、明日11日からNTV系で「約束~16年目の真実~」(毎週木曜日)、本田さん執筆です、ご覧ください。

被災者の方々が「生きていればこそ」と思えるような未来に光を感じられる動きがあればいいのですけれど、ろくにリーダーシップも発揮できない知事の下では気の毒でなりません。
復興が遅いのはボランティアが足りないからだという発想しか持っていない、まだ避難所が動いているのに自衛隊の入浴支援を切ってしまうようでは「復興など夢」と被災者の方々が感じてしまうのも致し方ないでしょう。
どうか、日本だけでなく、ガザやウクライナだけでなく、世界中の子どもたちの未来があるように、世界中の大人たちが自分の利権ではなく、子どもたちのために尽くしてくれるよう願います。

災禍

災禍の中で―今考える《関東大震災》5/14~5/19、鎌倉市川喜多映画記念館での特別企画です。今とても必要で大切なことを伝えてくれる企画展だと思います。
鎌倉は観光客で大賑わいのようですが、そんな喧騒から離れて鎌倉市川喜多映画記念館は小町通りを奥までいって左に曲がる閑静な住宅街の一画にあります。
初夏の鎌倉を楽しみながら、映画を通して災害に対して改めて考えてみませんか。

2023年、関東大震災から100年の節目を迎えて、これまで知られてこなかった歴史を含め、異なる角度から震災を描いた映画が注目を浴びました。
関東大震災で井戸に毒をいれたと自警団に殺害された朝鮮人の方々の慰霊祭にもでない知事もいますが、今年2024年元旦に起こった能登半島地震をみても、大地震との対峙は決して他人事ではなく、関東大震災でおこった悲劇を繰り返さないためにも知っておきたい歴史の一コマをみつめてみたいと思います。
出身監督の森達也監督の「福田村事件」(23)、「金子文子と朴烈」(17)、「キャメラを持った男たち」(23)を上映します。
5/18・5/19は、監督などのトークイベントもあります。
作り手のメッセージをどう受け取るかは、観客それぞれですが、作り手のひとりとしての私たちは、単に鑑賞するだけでなく、それぞれの切り口や、作家性を知ることで自分の描きたいものを考え、作り出することを心がけていきたいですね。

4月号の月刊シナリオ教室は、城戸賞のシリオ、坂田講師脚本の映画「わたしのかあさん~天使の詩~」のインタビューが載っています。
また、出身作家の原田ひ香さんと弊社の新井一樹の対談「創作の裏側と発想の秘密」はさすがベストセラー作家の原田さん、なるほどというお話しがいっぱい。
他人のものを観たり読んだりすると何がいいかと言えば、客観的に見えるということだと思います。
他人に伝えるには、客観的な視点がないと伝わりにくいです。でも、自分が描いた作品になるとどうしても主観的にみてします。
他人の作品だったら、いいも悪いも客観的にとらえることでき、そこから得るものはとてつもなく大きいと思います。

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