ゴールデンウイーク
シナリオ・センター代表の小林です。うかうかと過ごしているうちにゴールデンウイークは終わってしまいました。
皆様はいかがお過ごしでしたか。故郷へ、海外へ、近間で、色々な過ごし方があったかと思います。
私の唯一の遠出は、鎌倉霊園。シナリオ・センター所長の後藤の御墓参りに行ってきました。
なかなかお参りする機会が持てなかったのですが、雨上がりの青天の2日、後藤の大好きなゴディバの濃厚なチョコレートを一緒に食べながら、「シナリオ・センター天国校所長はどうよ」と後藤に訊ねたりとお墓の前で昔話に花を咲かせました。
連休の真ん中5月3日は憲法記念日です。
憲法を守ろうとする方々と改正しようとする方が、それぞれ集会を開いていましたが、その論戦は下々がするのはいいですが、権力者である国会議員が声高に改正を訴えるのは大きな間違いだと思うのです。
憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について国民が定めた最高法規です。
憲法は、権力者から私たち国民の権利・自由を守るためにあるのです。
なので、権力者が勝手に自分たちのいいように改正しようなんてあり得ません。
あまり言われないけれど、「改正しよう」と言い出すこと自体がおかしいのです。「守ろう」というべきなんです。
裏金の法改正でもわかるように自分たちのいいように変えようとする人たちに、決して自由にさせてはいけない最後の砦が憲法ではないでしょうか。
虎に翼
4月から始まった朝ドラ「虎に翼」を毎朝楽しく見ながら、むかついてもいます。
吉田恵理香さんのシナリオはとても素晴らしく、第1話の冒頭は憲法の条文から始まっています。
「第十四条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。 3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。」
ここから様々な試練、理不尽な壁が主人公寅子にふりかかるのですが、寅子が理不尽な差別に合うたびに腹が立つのです。
何故腹が立つかというと、女性の立場も男性の考え方、お上のやり方も100年近く前と今も同じと言っていいくらいほぼほぼ変わっていないからです。
寅子の口癖「はて?」は、今も私たちがお上に突き付けて行かなければならない「はて?」なんですね。
吉田恵理香さんは朝日新聞のインタビューでエンターテイメントが代わりに声をあげるということを言っていらっしゃいました。
「エンターテイメントと社会性は両立すると思っています。というより、切っても切れない。
どんな作品にも作り手の思想がのるもので、思想がないように見えるのは思想がないという思想です」
「実際に生きづらい人たちや当時者が声を上げたり一生懸命前に出たりすると、時に攻撃を受けてしまう。
だから私はエンターテイメントが代わりに声をあげて、攻撃をかわす盾になれたらいいなと思っています。
ひとりで立ち上がるのはしんどい。作中の『異物』たちが、そっと背中を押して、味方でいてくれたら嬉しいです」
今はとくに、直ぐに攻撃されやすい時代になっています。エンターテイメントの力が今こそ必要なのだなと強く思いました。
これから、主人公の寅子がどのよう動き、声をあげてくれるのか、毎朝が本当に楽しみになっています。
「第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」