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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

広げる広がる

講演される加藤正人さん

半径5メートル

シナリオ・センター代表の小林です。全国的になんだか怪しいお天気ですね。
もっとも怪しい永田町の重鎮麻生さんが、民主党元参議院議長の興石さんの出版パーティーの席で、「泉代表あたりをしっかりと指導してもらいたい。」言っていたのには笑いました。
確かに泉代表はしっかりしたほうがいいとは思いますけれど、他人のこといってないで、自分の党のろくでもない方々をしっかり指導してはいかがでしょう?

水俣病患者との懇談での「マイクオフ問題」は、おおごとになったため大臣が謝罪するに至ったのですが、「謝ればいいんでしょ」くらいしか思っていないことが、この後の知事の発言でよーくわかりました。
熊本県の木村敬知事が、水俣病被害者の発言遮断問題を巡り、伊藤信太郎環境相や環境省職員が懇談後に被害者側から「事実上つるし上げ」に遭っていたと述べ、またまた謝罪。
この人たちは水俣病の方々をこれまでもさんざん傷つけてきた上に、今回もどれだけ傷つけたのか気が付いていないし、「傷つけられたのは自分たちだ」くらいにしか思っていない。
「バカなの?」と言いたいくらい、他人に対する想いに欠けている人ばかりです。
自分の半径5メートルしかものを見えない彼らは、その先に広がる社会というものを見ることも、想像することもできないのでしょう。
「皆様のお話しをうかがえる重要な機会」だと言いつつ、大臣は遅刻して表れ、その上、3分スイッチ切り。
大体3分の話しで十分に聴いたようにすませようとするところから間違っています。
国そのものの姿勢がもちろん問題ではあるのですが、こういう人たちが知事とか大臣とか、本当に悲しいこと。
大臣が一言「あ、まだお話を聴いている最中だから」と言えばすむこと、言わなかったのは露ほども思ってもいないし、誰一人聞く気がなかったという風に捉えられても仕方がありません。
この国は「聞く力」がまったくない国です。

碁盤斬り

先週、私の所属しているボランティア団体で出身ライターの加藤正人さんに講演をしていただきました。
聴講者は全くエンタテイメントと関係のない方が多く、脚本家の仕事をご存じない方ばかり。
わかっていただけるかと心配していたのですが、加藤さんのお話しが面白く、また加藤さんの脚本家としての矜持に触れて、皆さん大感動。
ご紹介させていただいた私も鼻高々でした。(笑) 加藤さんありがとうございました。

ちょうど5月17日に、小説に続いて映画「碁盤斬り」が公開されるので、そちらのお話もしていただきました。
実はこの団体には、囲碁の藤澤八段も会員でいらして、加藤さんとも囲碁を通してお知り合い。(なんだか世の中狭い)
「碁盤斬り」には藤澤さんのお嬢さんで女性本因坊・女流名人の藤沢里菜さんも映画のエキストラ(碁会所のところ)に出演されているとか。
加藤さんのご趣味が囲碁ということは存じ上げていたのですが、囲碁の映画をずーっとお創りになりたくて、長い時間をかけて構想を練り、脚本を描かれ、ご自分で売り込んだというのは、ここで初めて知りました。
脚本を手掛けた映画「天地明察」でも囲碁を入れたのですが、天文学との話だったのであまり評判にならなかったとかで、今回は囲碁がメインの時代劇。力が入っています。主人公は草彅剛さん。

加藤さんのお話を聴きして、趣味はとても素晴らしいシナリオのネタでもあるのだと思いました。
昔、内館牧子さんがお相撲が趣味で、よく知っていることからNHK朝ドラ「ひらり」のオファーが来て、大ヒットになったというお話がありましたが、自分のよく知っている世界は、ドラマに広がりも深みも出せるものだと思います。

何を描けばいいのか悩んでいらっしゃる方は、まずご自分の好きなものを頭に浮かべてみてはいかがでしょうか。
そして、大切なのは切り口。
囲碁の話しでも「ヒカルの碁」のような切り口ではなく、「碁盤斬り」という時代劇で仇討という中に囲碁を描かれた加藤さんの切り口こそがこの作品の勝負です。
「碁盤斬り」は、先日イタリアの「ウディネ・ファースト映画祭」で批評家が選出する「ブラック・ドラゴン賞」を受賞されました。
夏にはフランスでも上映されるそうです。
小説も加藤さんが書かれていらっしゃいますが、映画はまた違った切り口を見せているとのこと、小説と映画、どちらも楽しんでみたいです。

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