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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

第32回橋田賞 令和5年度橋田賞新人脚本賞
脚本と役者の関係性が分かる一幕も

令和5年度橋田賞新人脚本賞。今回から、これまでの1時間作品に加えて短編作品も募集。応募総数は長編部門364篇、短編部門703篇(前回応募総数 長編部門597篇)。

残念ながら長編・短編ともに入選作は該当なし。佳作は長編部門から3篇。全員シナリオ・センターの在籍生&出身生でした。

・『嘘つきリーさん』安達あづささん(通信本科修了)
・『あなたに花が咲くように』平木健典さん(通信作家集団)
・『ニンベンに憂う』三谷武史さん(大阪校)

橋田賞新人脚本賞の贈賞は第32回橋田賞の授賞式で実施。時代を象徴する作品・役者さんとともに表彰されるという滅多にない機会。これからご紹介するお三方の受賞コメントから当日のドキドキが伝わるのでは。

なお、橋田賞を受賞された連続テレビ小説『らんまん』(NHK)の脚本を手掛けたシナリオ・センター出身の長田育恵さんが、制作統括の松川博敬さん、チーフ演出の渡邊良雄さんとともに登壇されスピーチ。

その後、本作主演の神木隆之介さん(橋田賞受賞)と浜辺美波さん(橋田賞新人賞受賞)もそれぞれ登壇。印象的だったのはお二人とも長田さんへの感謝の気持ちをお話しされていたこと。脚本が役者さんにとっていかに重要なのかが分かる一幕でした。神木さんと浜辺さん、長田さんのコメントも併せてご紹介します(広報:齋藤)

橋田賞新人脚本賞 佳作 受賞コメント

*

※「橋田文化財団セミナー」の新しい試みとして、安達あづささん作『噓つきリーさん』は角野卓造さん、佐藤B作さん、吉村涼さん等の俳優陣による本読みが行われ、その様子を『アクターズチェック』と題してTVerとTBS FREEで配信中。

―『噓つきリーさん』あらすじ―
物語の舞台は茨城県鉾田市。矢代岳(10)は父親を山の遭難で亡くして以来、貧しい生活を強いられるようになった。それでも母親の矢代咲と共に明るく生きていたが、咲は岳の身を案じるあまり、危ない遊びを禁じ、岳も咲に心配かけまいと、それに従うようになっていた。引っ越し先の安アパートで隣人となったのは、中国人の不法就労者・李皓然。大人たちは不法就労者を、嘘つきで法律を守らない悪い人だと言う。当初は岳も口の悪い李のことを警戒していたが、李の厳しさと優しさに触れるうち、距離が縮まっていく――。

〇安達あづささん(受賞作『嘘つきリーさん』)
佳作をいただけただけでも大変嬉しいことなのですが、わたくしの作品を本読みしていただけるというまたとない機会を得まして、貴重な場に参加・拝見させていただきまして、ただただ役者の皆さまの熱演・熱量に圧倒され、感動し、これからの作品に絶対に活かしていかなければと決意いたしました。これからも驕ることなく努力を続け、心に残るドラマを描いていきたいと思います。

〇平木健典さん(受賞作『あなたに花が咲くように』)
ちょっと吐きそうなくらい緊張しているのですが、受賞するのが生まれて初めてで、しかもその初めてがこのような賞で大変光栄に思っております。これからも自分がイメージするような物語を作っていきたいと思いますので、作品を通して私という人間を皆さんに知っていただければ光栄でございます。

〇三谷武史さん(受賞作『ニンベンに憂う』)
実はですね、5年前にもこの場所に立たせていただきました。そのときのことは何もかも忘れられないことばかりでございますが、あちらのほうにですね、橋田先生がいらっしゃいまして、私にも「頑張れ」というような言葉をいただきました。お言葉通り頑張りましてですね、再びこちらの場所に立たせていただくことができました。「二度あることは三度ある」「三度目の正直」という言葉もございます。これからも精進いたしまして、いつか私の作品にも命が吹き込まれればいいなと思っているところでございます。

「脚本の長田育恵さんがいてくださったからこそ」

・橋田賞 受賞:連続テレビ小説『らんまん』(NHK)

〇長田育恵さん:“朝ドラ”は毎作品、時代に即した夫婦の形、男女のパートナーシップの形を描いていくドラマ枠でもあると思うのですが、この作品では主人公の槙野万太郎さん、寿恵子さんとともに対等な夫婦の在り方、そして「好き」を原動力にして走り続けていく男女の在り方を描きました。その作品でこのような作家性・作品性のある、朝ドラの祖である橋田先生の名を冠した賞をいただけることを大変光栄に存じます。

・橋田賞 受賞:神木隆之介さん

〇神木さん:このような栄誉ある賞をいただくことができて、本当に光栄に思っております。監督をはじめ、スタッフ・キャストの皆さまがいてくださったからこそ走りきることができたと思っております。皆さまに感謝申し上げます。

そして何より、脚本の長田育恵さんがいてくださったからこそ、僕らの思いを受け止めていただき、ステキな物語とステキなセリフを紡いでいただけたのだなと。長田さんが描く物語の中で、槙野万太郎という一人の人生を生き抜くことができて、非常に幸せだなと思っています。

・橋田賞新人賞 受賞:浜辺美波さん

〇浜辺さん:この度は素晴らしい賞をいただきましてありがとうございます。賞をいただくにあたり、放送を見返したのですが、撮影していたときには、こういう思い出があったなとか、このときはこういう感情でこういう壁に突き当たっていたなとか、いろんなことが思い返されました。

長田さんが描く脚本は、ページをめくるたびに愛が溢れてきて、そんな世界で過ごす時間は本当に人生の中の一部というか、他の人の人生を生きているとは思えないような、そんな気持ちになっていました。本当に幸せな時間を過ごさせていただいて、その作品がこのような評価をいただけたこと、とても幸せに思います。これからも誠実に作品に向き合って参りたいと思います。

これまでも在籍生&出身生が橋田賞新人脚本賞を受賞されています

次回応募される方。今回ご紹介した模様をご覧いただいて、「次は自分も!」と刺激を受けたのではないかと思います。

来年2025年5月10日は橋田文化財団 前理事長・橋田壽賀子さんの100歳の誕生日。そのため、橋田壽賀子生誕100年記念プロジェクトを立ち上げ、さまざまな企画に取り組むとのことです。

そんなメモリアルイヤーとなる次回。脚本家志望の方、是非チャレンジしてください。こちらの記事も併せてご覧ください。

令和4年度橋田賞新人脚本賞 長島清美さん

令和2年度橋田賞新人脚本賞 藤田知多佳さん 山脇さやかさん

令和元年度橋田賞新人脚本賞受賞 小泉理恵子さん

平成30年度橋田賞新人脚本賞受賞 いとう菜のはさん 三谷武史さん

平成29年度橋田賞新人脚本賞受賞 菊地勝利さん

平成28年度橋田賞新人脚本賞受賞 花田麻衣子さん 

「シナリオは、だれでもうまくなれます」

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