menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

女性

浅間大滝

パワースポット

シナリオ・センター代表の小林です。24日からお休みをいただいて、久々に友達と軽井沢へ行ってきました。
私は癒しの旅、なにがなんでも日頃のうっ憤を流してくるぞぉ~と計画していました。

軽井沢もご多忙に漏れずたくさんの観光客で賑わっていましたが、そこは軽井沢通としては(ホントかい?笑)、観光でもなかなか人がいかない穴場スポットにいってきました。
「浅間大滝」教えたからといって行かないでくださいね。(笑)
土曜日というのに、ちょっとわかりにくいこともあるのか、犬連れのご夫婦くらいとかしかすれ違わなかったくらい、来る人はいません。
観光客で大賑わいの白糸の滝とは大違いです。
しかもこの滝、大滝というほど大きくはないのですが、滝つぼギリギリのところまで行けるので、心地よいしぶきを浴びつつ、マイナスイオンをたっぷりいただけるのです。
幸いに天気も良くまっ青な空に新緑が光り輝いて、最高のパワースポットでした。
すぐ横には魚止めの滝というまた趣の変わった滝もあり、ここでもじっくりとマイナスイオンを浴びて、もう気持ちの良いこと、気持ちの良いこと。
同行の友人は初めてで大感激していました。
パワーをもらったせいか、その後のお蕎麦屋さんもパフェ屋さんも、混んでいるのにすーっと入れ、ドライブも気持ちよく、爽やかな高原の1日を楽しみました。
たまには、毒を吐きにいかないと、心優しくなれませんからね。(笑)

ケツブロウよ~伊藤野枝ただいま帰省中~

青年座「ケツブロウよ~伊藤野枝ただいま帰省中~」
伊藤野枝のお芝居を観に行ってきました。
私はこの頃の女性、平塚らいてふ、神近市子、津田梅子、大山捨松とかが大好きなので、嬉しく拝見しました。
マキノノゾミさんの脚本、宮田慶子さんの演出で、見ごたえのあるお芝居でした。
拍手が鳴りやまず、なんとカーテンコールを2回と新劇では珍しい光景が生まれたくらいです。

ご存じのように、伊藤野枝はアナキストとして大杉栄と共に拷問され惨殺され、28歳の若さで、あっという間に人生を駆け抜けた女性です。
わずか28年の人生で、これだけ奔放に生きた女性も、しかも大正時代にいなかったと思います。
野枝の強烈な個性、奔放な生き方を描いた小説や、映画、お芝居は多いですが、故郷での実家での野枝を描いたマキノさんの切り口に感服しました。
彼女が一人の家族のいる女性だということを改めて認識させてくれ、大正時代の女性の在り方を見せてくれて、野枝の痛みがとてもよくわかりました。
この頃は女性差別の典型と言われる姦通罪という法律があり、既婚の女性が夫以外の男とセックスしたら刑法で罰せられる。男の浮気は甲斐性で、女が不貞を働くのは不道徳で犯罪であるのです。
「信じられな~いっ!!」って、犯罪にならないだけで今も変わらないじゃないですか。

野枝は、地元の男に嫁がされイヤで逃げ、女学校の英語教師辻と暮らし、その後辻を捨てて大杉栄のもとに走った身勝手な女性としてクローズアップされることが多く、背景に女性が男性の所有物扱いされた時代で、それゆえに人間として生きたいと抵抗し続けた野枝がなかなか伝わるものが少なかったように思います。
この「ケエツブロウ」は、そこを描いて、あの伊藤野枝という女性の生き方の源をみた気がしました。
無政府主義者というのは怖いものだと思っている村の世話役が、野枝の話を聴いて「俺たちは貧乏な病人がいれば近所の人たちが融通して医者に見せる。ちょっとした盗みなら警察に頼らす叱って言い聞かせ、災害で道がぐちゃぐちゃになっても行政に頼らす村人たちで直す・・・ふだんから国やカネに頼らずに生きている。あれ、これがアナキズム???いつもやっていることじゃない」と気づく。
そう、今だって能登半島は無政府主義の塊の感じがしますし、いやいやどこの市町村も多かれ少なかれそんなかんじがあるでしょ。
このお芝居は、大正時代の話しではなく、今もまた同じなのだということ、それを気が付かなくてはいけないのだということに気づかせてくれます。お上に押さえつけられることなく生きていかなくては。

ちなみに「ケエツボロウ」海鳥で「カイツブリ」のこと、野枝の故郷糸島ではこう呼んでいるそうです。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ