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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

今昔

永遠なる『傷だらけの天使』(集英社新書)

婚活アプリ

シナリオ・センター代表の小林です。表参道は今年初の真夏日だそうで、明日もまた暑いとか、いやはや暑い夏が始まったようです。

東京都は、埼玉の「恋珠」京都の「きょう婚ナビ」に次いで婚活マッチングアプリを開発しているのだそうです。
怪しいマッチングアプリよりは安心なのかとも思いますが、結婚しないのは本当に出会いがないだけの問題なのでしょうか。
出会いのない環境の方もおいでかとは思いますが、昨今多くの独身者が結婚しないのは、「結婚」の必要性を感じない、あまり魅力も期待も持てないからなのではないかと思います。
根本的に社会が結婚しやすい社会、子育てしやすい社会ではないですからね。
大学卒業後から働き続けてきた女性としての立場で言えば、デメリットの方が多い気がします。
まず姓が変わることが一番不愉快ですが、実際の生活はもっと面倒。
男性と同じように働いているのに家事負担は女性の方が多い、子どもができれば仕事と育児を両立させにくい。なんだかんだ言ってもまだ子育ては母親の仕事という社会環境。
結婚しない30代40代が多く見受けられます。
子どもを産むこと以外は男女は平等というのが私の持論なので、息子夫婦は結構同等にやっているようですが、それでもやっぱりお嫁ちゃんの負担の方が大きいように見受けられます。
どこかで家庭を守るのは女性という認識がすり込まれているのでしょうか。
私は結婚する気が全くない娘に「一度戸籍を汚してみたら?すぐに帰ってきてもいいから」と冗談を言って顰蹙を買っているのですが、本気になれない、心から勧められないところが悲しいです(笑)
結婚も子育ても余裕を持てる社会になって欲しいものです。

永遠なる『傷だらけの天使』

出身の山本俊輔監督がライターの佐藤洋笑さんと共著で書かれた「永遠なる『傷だらけの天使』」(集英社新書)が出ました。
「傷だらけの天使」はショーケンと水谷豊さんのコンビで50年前一世を風靡した名作ドラマです。
「傷だらけの天使」の世界観を表そうと企画から製作から丹念に取材されて、とても面白く、驚くようなエピソードがたくさん書かれていて、「え~!?」と思いながら読み進めました。

「傷だらけの天使」のプロデューサーのおひとりである磯野理さんは、「クレクレタコラ」という5分番組のお仕事をシナリオ・センターに始めてくださった人でもあります。
読んでいたら、急にシナリオ・センターの話も出てきてびっくりさせられました。
「クレクレタコラ」はタコの怪獣タコラと、不思議な森に住む奇妙な住人たちが繰り広げるスラップスティック・コメディで18:55からの5分番組。今だと子供に見せていいの?と思うようなちょっとというものもあるのですが・・・これは別の話。
で、その縁で当時新井一門下であった柏原寛司さんや渡辺由自さんらが「傷だらけの天使」を若手のライターとして執筆されたのです。
この本には、柏原さん、渡辺さんも制作秘話を語られており、ショーケン(萩原健一)、水谷豊さんのコンビの魅力がどうして生まれ、名作として今もなお語られるのかが良くわかります。
市川森一さん、丸山昇一さん、鎌田敏夫さんなどそうそうたる脚本家、映画畑の深作、恩地、神代、工藤監督など巨匠監督らがメガホンをとっていたという制作現場の様子が、イキイキと感じられます。
あの迫力、魅せ方はそういうことだったのかと思ったり・・・。
それにしても、あの頃のドラマも家庭で見るにはちょっと過激な暴力シーン、濃厚なセックスシーンなど平気だったって、クドカンの大評判だった「不適切にもほどがある」じゃないけれど、本当に昭和はなかなかの時代だったと今更ながら感じます。
今は色々制約つけ過ぎではないかと、守りすぎな気がしてしまうほど、ドラマ制作の面白さが伝わってきます。
「傷だらけの天使」がなぜ今も語り継がれ、見られているのか、名作といわれるドラマの秘密を読んでいただきたいです。

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