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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

すべてはドラマ

新井語録

わかっていない?

シナリオ・センター代表の小林です。朝のニュースを見ていたらお米が値上がるのだそうです。1キロ50円くらい上がるかもとか・・・3キロ袋で150円、5キロ袋で250円、結構な値上がりですね。
お米とか水とか電気とか、生活を支える最低基準だと思うので、そこはお上は抑えるための方策をたててほしいですね。
と、国民は思っているので、岸田内閣の支持率は前月比2.3ポイント減の16.4%、不支持率は1.4ポイント増の57.0%。2012年に自民党が政権に復帰して以降、最も低くなったとか。 

「自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正などの取り組みが、支持回復につながっていないことが明らかになった。」のだそうです。こんな自明の理みたいなことすら、わからないお上に国を任せていることこそ大間違いだと思うのです。
自民党が公明党や日本維新の会と合意し、衆院を通過した規正法改正案については「まったく評価しない」が39.2%、「あまり評価しない」が33.0%、7割超が否定的。
これが当たり前だと思うけれど「ある程度評価する」に16.4%にあるって、どこが評価できるところなのか教えてほしいです。
野党は企業・団体献金の禁止を求めていましたが、自民案には全く盛り込まれません。企業との癒着は切るわけにはいかないですものね。これに関し「禁止すべきだ」が52.4%、「認めるべきだ」の19.3%、国民はわかっているんですよ。
6月からの定額減税(1人当たり4万円)が物価高対策として効果があると思うかを尋ねたところ「ない」が65.3%、「ある」が14.2%。だよね~!
その上、有難味をわからせるように減税を明記せよという経理泣かせの命令付きときちゃ、否定もしたくなります。
「期待が持てない」33.3%、「政策がだめ」29.1%、「首相を信頼できない」23.8%。
う~ん、86%が認めていないのですよ、お上の皆さん。

解明しますとも

三谷幸喜さんの「古畑任三郎シリーズ」30周年記念で一挙放送をやっています。30年も前なのかと感慨深いものがありますが、それにしてもこれほど古びた感じがしないドラマも珍しいです。
ここのところ、「脚本家の時代」といわれた頃のドラマ再放送が多くなり、何気に見るのですが、シナリオがきちんとできているドラマは、時代が変わっても色あせないものだとしみじみ感じさせられています。

その中のひとつ、ドラマ『古畑任三郎シリーズ』は、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを卓越した推理力で田村正和さん演じる主人公・古畑任三郎が解いていく「倒叙」型のミステリードラマでした。
「倒叙」型のミステリードラマなので、犯人はわかっていて、毎話登場する豪華ゲストが犯人役。
当時、田村正和さんの魅力に加え、普通なら悪役など(単純が区分け過ぎますが)とんでもないという、殺人を犯すなど全く見えない豪華ゲストとの対決にワクワクさせられる企画のうまさに驚かされたドラマでした。
でも、今見ても色あせないのは、何より脚本のち・か・ら。
犯人を演じる役者の魅力を引き出すために、キャラクターの創りこみが凄い。
たぶん、ネタづくりより三谷さんはキャラクターづくりに全力を注いでいたのだと思います。
何とかサスペンスのように、ベラベラとすべてを語る説明台詞がなく、殺人を犯して隠蔽しようとする人間ドラマ、犯人の心情を描き切り、犯人と古畑が最後に交わすさりげない会話、最後に罪を認めたゲスト俳優の魅力が炸裂する、このうまさこそが三谷ドラマなのだとひたすら感心してしまいました。
ドラマを魅力的にするのは、やっぱりキャラクターの創りこみですね。
このキャラだからこその犯罪、隠蔽、セリフ・・・この面白さなのだと思います。ストーリーではないのです。

シナリオを勉強されている方には、これほどキャラクターの見本としてわかりやすくできているドラマはないので、一度は見て欲しいと思います。
キャラクター表を逆起こししてみるのもいいかもしれません。
「故きを温ねて新しきを知る」・・・確かに!

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