menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

こどもたちへ

シナリオ・センターが伝える14歳からの創作ノート(KADAOKAWA)

若者の力

シナリオ・センター代表の小林です。表参道の日差しは焼けるようでした。「夏はこうしてくるのだよ~、覚悟しなさい」と空から声が聴こえました。やれやれです。

都知事選が始まりつつある東京では、色々な意見が飛び交っています。
都庁が光り輝いてみえるプロジェクションマッピングの傍で困窮者が支援物資に列をなしている姿に、おかしいんじゃないという声はとっても高いです。
私もそう思うのですが、その反面、私は文化・芸術が心を助けるという見地から、アートのそのものは全く否定ができるかというと考えてしまうところもあります。
ですが、物事には限度というものがあります。そして、優先順位というものがあります。
このプロジェクションマッピングは48億円もかかっているそうです。今、ここまでかける必要があるでしょうか。
どうしてこんなにかかるのかわかりませんが、せめて1/10くらいで作り、9/10は困窮している方々に回すという考え方はできないのかと思ってしまうのです。
能登半島地震での対応もそうですが、素早い対応に加え、的確なお金の使い方というものを政治家の方々も官僚の方々も誰一人と知らないのでしょうか。
能登半島が復興したような顔をするのは本当にやめて欲しい。
やっぱり国民が身をもって教えなきゃダメなんですね。

そういえば、朝ドラ「虎に翼」でも、子どもへのボランティアをしている学生たちに押されて家庭裁判所ができるのですが、どの時代でも大人は自分の頭の上のことばかり考えて大局が見えないようです。
大人たちよ、恥を知って目覚めてください。若者よ、声をあげて大人たちに喝を入れてください。選挙は大事です。

シナリオ・センターが伝える14歳からの創作ノート

昨年8月に上梓した新井一樹の「シナリオ・センター式物語のつくり方」は、おかげさまで大変評判がよくこの手の本では珍しく3万部を超えるというヒット作品になりました。ありがとうございます。

今度は、「シナリオ・センター式の物語のつくり方」の子ども版を作りました。
題して「シナリオ・センターが伝える14歳からの創作ノート」(KADOKAWA)
全てはシナリオ・センターのシナリオ技術のバイブルである新井一の「シナリオの基礎技術」が基なのですが、いつもお話しするように多くの人に伝える、伝わるように描くことへの技術です。
伝え方は色々あると思います、今回は未来を担う子どもたち向けに、形を変えて。
シナリオ・センターで、キッズシナリオを始めた新井一樹、子どもたちへ伝えたい気持ちは人一倍大きく、もっともっとシナリオを描く子どもたちが広がって欲しいと願ってのことでしょう。
「大人になっても『書くこと』を好きでいたい君へ」というサブタイトルは、シナリオ・センターの「大人になっても描き続けて欲しい」という願望も含まれていますが。(笑)

この本では、キャラクターのお話しから始まります。何故なら、ドラマとは「人間を描く」ことだからです。
キッズシナリオの授業では、シナリオの書式だとか構成だとかの技術はおいてみんなでキャラクターづくりから始めます。
こういうキャラだからこんなことを言うよねとか、こういう行動するよねとか登場人物を考えると、もう物語ってできちゃうんです。
脚本家の岡田恵和さんは、「脚本の技術、スキルが身についていくにつれ、ただただ楽しかった。
優れたシナリオを描けるようになることは、自分以外の他人のことを考えられるということで、それは人としてすごく素敵なことなんじゃないだろうか」と修業時代に思ったと話しています。
シナリオは、他人に対しての想像力なくしては描けません。
どうすればいいのか悩んでいる子どもたちも、こういう風に考えていけばいいのだということがわかると、自然と己を知り、他人に対する思いやりも生まれてくるかと思います。

この本の中に、シナリオ・センター出身のプロの脚本家・小説家の方々からご自身が十四歳の時に影響を受けた映画や本を紹介していただいコーナーがあります。
拝見すると、子どもの頃の皆さんの姿が目に浮かび、「なるほど!この方の肝はここなのだ」とひどく納得できて楽しかったです。
子ども時代って、大事です。色々なものを吸収して欲しい、好きなことに夢中になって欲しい。
これからの子どもたちの未来を奪うようなことをバカな大人たちがしないようにと心から祈ってしまいます。いやいや体張って止めますとも。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ