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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人的災害

倒れても切られても

東京都

シナリオ・センター代表の小林です。東京都民としてはとても気になる都知事選ですが、立候補者が56名とかで、選挙ポスター掲示板に貼りきれないらしいです。
もちろん選挙はどなたが出てもいいわけですし、むしろ日本は立候補できる年齢が世界的にも高く、もっと低くした方がいいという意見も出ているくらいですから、自分の政策を持ってどんどん一般の人が出るべきだとは思っています。
知名度の高い人が当選してしまう傾向があるので、そういう意識を変えることも大事かもしれません。
とはいえ「NHKから国民を守る党」から24人もの候補者とは、ちょっと度が過ぎている気がしますが。

私は、神宮外苑はじめ葛西臨海公園や日比谷公園の伐採に反対で、そこは絶対止めてもらいたいです。
老木化などは起こりますから剪定は必要だと思うけれど、不必要な高層ビルだとか何かを建てるための伐採には大反対なのです。
ヒートアイランド現象だって、樹木の伐採や草土をなくしてのコンクリート、アスファルト化、高層ビル化が原因と言われています。
温暖化とはまた違ったこれもまた人的災害とはいえないでしょうか。
土や草木がなくなれば生態系も変りますし、樹木はすぐには育たないです。
壊すのは簡単ですが、育てるには何十年、何百年の月日が必要なのです。
自然の力を侮って災害対策などはあり得ないと思うのですが。

作家の目

気象災害つながりになっちゃいました。
出身ライター浜田秀哉さん脚本の「ブルーモーメント」(CX)は、気象災害に立ち向かう気象研究官たちの姿を描いているものですが、昨日(6/19)の放送を見ていて、思い切った話にしたなぁと感心しました。
大手テレビ局のマスコミの弱腰が言われて久しいですが、ドラマは頑張っているんだなぁ、これこそがエンタテイメントの力なんだと嬉しく思います。

気象災害から人的被害対応の遅れを防ごうとして作られた内閣直属の機関SDM。天才気象研究官を中心に消防や医者などのチームで、気象災害に立ち向かうものドラマです。
19日は、SDM担当の園部大臣が進めていた国家防災プロジェクトの工場でガス爆発事故が起き、工場の安全性疑念だけでなく、園部が政策活動費を不当に得るために作られたのではないかと、住民たちに弾劾されるところから始まります。
SDMのメンバーは事故の原因を探りつつ、260万人以上を超える避難者が想定される観測史上最強クラスの台風に備えようとします。
ですが、裏金疑惑で窮地に立たされている園部が関与するSDMが指揮を執ってはと、大規模な避難計画の提案は保留にされてしまい、住民の命は危険にさらされてしまいます。
すると園部は裏金疑惑を払拭すべく“永田町のブラックボックス”とも言われる政策活動費の詳細を国民に開示。
事故の原因も解明したSDMのメンバーは、災害へと立ち向かうというストーリーです。

このドラマは気象で災害を未然に防ごうとする気象研究官のお話しですが、今渦中にある「裏金」を出すところ、さすが思い切ったなと思いました。
しかも、最初は記者会見でも言葉を濁した園部大臣の、ついに決断したセリフがいいんですね。
「考えれば公金の収支を明らかにする。当たり前のことじゃないでしょうか。しかしその“当たり前”にこの私自身も躊躇した。私には決めていることがあります。迷った時は困難な道を選ぶ。そして全身全霊をかけてその道を突き進む」
当たり前のことができない政治家にパンチ!です。

ジャーナリズムが言えないことも、ドラマは描けるのです。
ドラマは、社会派だけでなくラブストーリーでもホームドラマでも様々な形で、世の中にメッセージを送ることができるのです。
ある意味、これこそがドラマの強みかもしれません。それだけに作家の目、視点が大事になってきますね。

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