沖縄慰霊の日
シナリオ・センター代表の小林です。昨日は、沖縄慰霊の日でした。
お上のお言葉は、毎年綺麗な言葉をつないだだけのコピペのようで何も入ってきませんが、若者の詩は毎年心に響き、申し訳なさでいっぱいになります。
不甲斐ない大人たちが79年経ても同じことを繰り返している、それでも諦めない若者にありがたく申し訳なく涙するしかない自分が歯がゆいです。
仲間友佑さんの詩の最後の一部ですが、お上はこの詩を、毎年若者が紡ぐ平和への想いをどのような気持ちで聴いていたのでしょうか。
「あまりに大きすぎる悲しみを
手を繋ぐように受け継いできた
それでも世界はまだ繰り返してる
七十九年の祈りでさえも
まだ足りないというのなら
それでも変わらないというのなら
もっともっとこれからも僕らが祈りを繋ぎ続けよう
限りない平和のために 僕ら自身のために
紡ぐ平和がいつか世界のためになる そう信じて
今年もこの六月二十三日を平和のために生きている
その素晴らしさを嚙(か)みしめながら」
大人の私たちは、これからを生きる子どもたちのために何をすればいいのか考えます。
まず、今の権力をもつ人たちを排除することではないかと私は思います。
権力の座に長くいると、どんな人でも固執し、癒着が生まれます。自分の半径5メートル以外は見なくなり、興味がなくなります。
東京で言えば、プロジェクションマッピングが輝く都庁の前で食料配給に並ぶ長い行列・・・見えているのでしょうか。
上に立つ者は、すべて権力に執着しないように、任期は最高2期までとかに決めたらどうでしょうか。
新人が少々ぎこちなくても、風通しを良くすることが大事だと思います。
シスターフッド
千代田区の男女共同参画センターMIWの講演会を聴きに行きました。
講演者は、出身作家の柚木麻子さん。「シスターフッドのこれまでとこれから」
女性同士の連帯=シスターフッドを軸に社会問題やドラマなどについてもお話しされました。
柚木さんの小説「らんたん」は、彼女の母校恵泉女学園を作られた河井道と一色ゆりのシスターフッドを軸に、女子の学びを切り拓いた女性たちの話です。
明治、大正、昭和という激動の時代を生き、新渡戸稲造、村岡花子、平塚らいてう、柳原白蓮、野口英世、新五千円札になる津田梅子ら錚々たる人物が彼女たちの周りで女性の教育に尽力していく姿は、決してその昔の話しではなく今も変わらないのだと思わせられます。
柚木さんは、ドラマなどにする時、実際の女性を主人公にするのは、難しいと。男性と違って女性には厳しい視線、潔癖性を求められるからだと。確かにそういうところがありますよね。
男性の不倫はよくて女性の不倫は法律的にも許されなかった時代と今もさほど変わらないかも。
まあ、「男女同権」といわれても、社会そのものが変わった感じではないですし、男性社会はいまだに健在ですしね。
今回の講演も柚木さんにフェミニストとしてのお話しも求められていたように思います。
昔のフェミニストは、女性の権利を主張する者と思われていましたが、今は、むしろ出身や性別などの多様性を認める自由な発想、特定の性別・価値観を排除しせずに、他人に対して自分の考えを押し付けるようなことをしない柔軟な心を持つ人を差すのではないかと柚木さんのお話を聴きながら思いました。
柚木さんのご著書が海外でも多く読まれ、そのご縁でドイツにいらした時、ドイツ人の生き方に共鳴されたそうで、日本と一番違うなと思って悲しかったことが「ドイツ人は本をたくさん読む」ということでした。
何故か。「ドイツは労働時間が短くて、給料がいい」からだそうです。
余裕のないところに思考は生まれない、日本の貧しい思考は、貧しさから生まれているのかもしれません。
そんなこんなのお話しを楽しく聞かせていただきました。山内マリコさんなどと共にこれからも社会的発言をしていくと柚木さん。
多くの人に伝わるような表現方法で、フェミニズムを浸透させていってほしいと思いました。