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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

みる

ご存命の時の橋田賞にて

公助

シナリオ・センター代表の小林です。毎日暑い暑いという話ばかりで、うんざりですね。

政府が少子化対策の一環として、「若者のライフデザインや出会いの支援」、いわゆる婚活支援に乗り出すのだそうです。
若い世代が、結婚を含む自分の将来を考えるきっかけを後押しする狙いだそうですが、それよりなにより、まず現実を見ていただきたいです。
今すぐやることがいっぱいあるでしょ!

ひとり親の子どもたちが、給食がないと食べることができず、そのために全国的に子ども食堂が学校の数より増えている状況をどうすべきか。
夏休みに給食がないため食事がとれない子が増えるのです。この暑い中、食べるものも食べなかったらどうなるとお思いでしょうか。
経済的理由で子どもに体験活動をさせることができず、子どもたちが周囲との体験の格差に直面し、苦しんでいるというNPO法人の調査報告。
夏休みにどこにもいけないであろう子どもは、ひとり親家庭では70%以上のなるそうです。
共働き家庭などの小学生を預かる学童保育の「待機児童」1万8462人。前年に比べ2186人増えているとこども政策担当相自ら発表しています。
「共稼ぎが増えたから」などという当たり前の感想で終わるのではなく、「だからこうします」とすぐに対応してこそ、大臣といえるのではありませんか。

大臣も官僚もこれだけの現実を見ても、ただライフデザインなどと形だけのことを言っても意味がないことがわからないのでしょうか。
ひとり親家庭だけではなく、多くの家庭が、現実的にお金が必要なのです。
子どもを育てる余裕がない家庭が多いのです。
楽しんで暮せる生活ができるようにして欲しいですが、生活保護費を減らして平気な想像力の欠片もない大臣や官僚では、対処は望み薄なのですね。
自分達ばかり高い料亭やレストランで当り前のようにご飯を食べている人たちではね。

実際に子どもたちをみている全国の子ども食堂などの民間機関が、お上の尻を叩き、引っ張って、現実的な対策を練っていくべきだと私は思っています。
お上に民間を頼らせてはいけません。公助をきちんとさせなくてはいけません。

脚本家

船旅を楽しんできた講師がお土産を持ってきてくれました。
お土産よりなにより面白かったのは、乗船した「飛鳥」には「橋田壽賀子さん1000日航海達成」の記念プレイトが掲示してあったというお話し。

橋田先生が毎年豪華客船の船旅を楽しみながら「渡る世間は鬼ばかり」などのシナリオを描いては港々で送っていらした話しは有名ですが、1000日も船旅を楽しまれていたとは存じあげませんでした。
その上、なんとわざわざ船室にご自分で机を持ち込まれていたのだそうです。
もちろん最高ランクのお部屋だそうですが、机まで持ち込みってさすがです。
90過ぎまで現役で描き続ける先には、こういう未来が待っていると思うと、「頑張るぞぉ~!」って気持ちも湧いてきませんか。

橋田先生のすごさは、浮世離れした豪華客船の旅の中で、町中華店の「幸楽」を舞台にした家族のふれあいと軋轢を描かれていたこと。
もちろん脚本家は、すべて経験値で描くわけではありませんから、どこで書いても傑作は生まれるのでしょうけれど、でも、やはり橋田先生ならではという気がします。
それは橋田先生が、「渡る世間は鬼ばかり」の登場人物ひとり一人のキャラクターを熟知していらっしゃるからでしょう。
この人に、こういうリトマス液を入れたらどうなるか、どう動くか、キャラクターができているからこそ作れるのです。

キャラクター、キャラクターとうるさいほど言うシナリオ・センターですが、長寿番組になるのもの、ストーリ-ではない、キャラクターなのです。
長寿番組「科捜研の女」「相棒」などをみてもわかるかと思います。
だって、人間を描くのがドラマですから。

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