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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

暑い

野田MAP「正三角形」プログラム表紙

やくざ顔負け

シナリオ・センター代表の小林です。毎日、他に言うことはないのかと思うほどただただ「暑い!!」としか言えない毎日。
シナリオ・センターでも体調を崩している方が続出。コロナもですけれど、わけのわからない熱とか腹痛とかに病名もはっきりつかず、効果のある薬もないらしく、病院へ行ってもただただ休んでいるしかない感じで厄介です。
ともかく、水分をとって、ゆっくり身体を休めて、無理して出社に及ばずくらいしかいえませんが、本当に無理せず休むことです。

今日は40度越えのところもあるようですが、東北は大雨で大変で、まだまだ続くという予報。
能登半島は何一つ手立てが見えずちっとも復興しないくせに、低所得者が避難所に居座っているか如くいう県知事。
東北が大きな災害を受けている中、東北視察ではなく、160名もの議員が海外視察にいくと・・・。何しに?
視察なら、能登や東北などに行くべきでしょ。視察という名目のもとに税金で海外旅行を楽しもうという魂胆は見えみえです。
本当にこの人たちの頭の中はどうなっているのでしょうか。
裏金もものともせず、悪評などどこ吹く風・・・「やっちまった勝ちだよ!」ってかんじですよね。
どうせ国民は忘れるだろうし、マスコミは都合の悪い事は伏せてくれ、検察も裁判官もゼッタイ味方だしね。
しかも「お前らが選んだんだよ、俺たちを。わかっているかい、お前らなんかになにができるか下等国民よ!」って思っているんでしょうね。やくざより始末に悪い。
国民はバカにされているんですよ、怒りましょう!黙っていてはダメ!
この暑さにヒートアップしすぎると血管切れそうだけど。
この悪を裁くには、ただひとつ!「こういう輩に投票しない!二度と議員になんてしない!」

正三角形

先週、久々に野田MAPを観てきました。野田さんの新作「正三角形」。
野田MAPの会員にもかかわらず前作はチケット取れず、ようやく久々に観ることができました。
予約とれたと喜んでいたら、姪は嵐のファンクラブ(松本潤が主役なのです)でチケットとったら前から4番目の席だったと・・・なんだそりゃあ!!長年の野田MAPの会員より嵐の会員の方が強いのかぁ。ちなみに私は2階席。(笑)
ま、それは余談ですけれど、そういうわけで2階席ながら(しつこい!)久々に堪能しました。
ただ、私は片耳飛行なのでよく聞き取れない場面もあり、大事なセリフを聞き逃したりしていたのが悔しい!!言葉遊びを楽しむ野田秀樹さんの戯曲なのにです。

この「正三角形」は長崎の原爆投下を描いています。
野田さんらしく「カラマーゾフの兄弟」をモチーフに長崎への原爆投下を描いており、相変わらず野田さんらしい色々なものとの重ね合わせての見せ方、表現の仕方にとても面白く拝見しました。
「カラマーゾフの兄弟」=「唐松兄弟」
父親殺しで裁かれる長男、一人殺すのは殺人で、大量に殺す戦争は殺人ではないのかを問います。
長男は花火師、花火の火薬は、平和な時は人々を楽しませる花火に、だけど戦争の時は人殺しの力に変わるのです。
昨日見た華やかな隅田川の花火は、平和の象徴と言えるかも知れません。
次男は物理学者。原子爆弾を生み出します。
三男はその兄たちの背中を追いかけながら、真実を追及しヨハネ書の一節をセリフにしていきます。
長崎生まれの野田さんらしい初めて原爆を扱った「パンドラの鐘」(99年)よりももっと深くなって、「オイル」(03)「MIWA」(13)と重ねてきた長崎の原爆を舞台化してきた彼の集大成のような気もしながら拝見しました。

ラストに原爆を落とす瞬間を見せ、原爆投下後、静かに舞台に現れたのは、小さな女の子を背負った少年でした。
ローマ法王が「戦争がもたらすもの」というメッセージと共に世界にカードにして送った写真、あの有名な「焼場に立つ少年」です。
凄い描写だと思いました。言葉にしない表現というのが言葉を尽くす演劇という場所でこうも生きるのかと。

野田さんは、インタビューで「アメリカでは今でも戦争を止めるにはあれしかなかったという発言されている。そういう言葉が歴史上残るのはどうなのか。原爆投下の事実になんの裁きもないというのはすごいことですよ。
またかと思われてもいいから、長崎のことをちゃんと書いておきたいと思いました」

このお芝居は、この秋にはロンドン公演を行います。西欧の方々がどうとらえるかとても楽しみです。
もうすぐ8月がやってきます。
あの暑い夏に何が起こったのか、私たちは生きている限り考え続け、二度と戦争を起こさないために伝え続けなければと思います。

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