子ども食堂
シナリオ・センター代表の小林です。昨日は、私が所属している子どものためのボランティア団体が「夏の子ども食堂」を開催したため、お休みをいただき、お手伝いに行ってきました。
ホテルのシェフが作ってくださるカレーが毎回人気で、子どもだって一味違うのがわかるんですよ~。 本当に美味しい、ホテルで食べたら高そう。(笑)
この子ども食堂は春と夏だけで、子どもたちと勉強したり遊んだり、ランチする寺子屋は、本当のお寺を借りて隔週行っています。
大々的に行う夏の子ども食堂は、色々なボランティアの団体の方とお会いしてお話する機会を持つことができます。
ボランティアの皆さんは本当に良くやっていらして、目の前の困窮家庭にいかに手を差しのべればいいか、子どもたちの居場所をどう作るかと心砕いています。
民間のボランティアが一生懸命やっていらっしゃるお話をお聴きするたびに、公に対して腹立ちを覚えるのは私だけでしょうか。
なんのためかわかりませんが、お上は全国行脚をされるそうです。
この間いらした能登へは、すぐに何か手を差しのべましたか。
震災から8カ月経ってもなお、避難所で段ボール生活を強いられている方もいらっしゃる、食事は1食しか支給されないとか、未だに水が出ないとか、高齢の親を一人用の仮設住宅に入れたら、もう家族は他の仮設を申し込めない仮設住宅1家族応募の弊害とか、能登の方々がちゃんと暮らせる手立てを、目の当たりにしたことを、すぐに対処しましたか。
ただ見学するだけの行脚など税金の無駄遣いです。まったく意味がない。
民間のボランティアは少なくともすぐに対応します。
子ども食堂が今や学校の数より多くなっているという現実を、まずは知るべきです。
命口説(ヌチクドゥチ)
劇団青年座の伝承朗読劇を観てきました。
津嘉山正種さんのひとり語り「命口説(ヌチクドゥチ)」
津嘉山正種さんは沖縄戦の記憶を語り継いでいかなければならないと、沖縄への差別を問う「人類館」、沖縄戦を生き延びた人々の証言を綴る『戦世を語る』、アメリカ占領下の沖縄で、真の民主主義の確立と祖国復帰のために米軍に立ち向かった沖縄が生んだ不屈の政治家―瀬長亀次郎を語る「沖縄の魂~瀬長亀次郎物語」、そしてこの「命口説」を20数年にわたってひとり語りをしていらっしゃいます。
沖縄戦…アメリカ統治…本土復帰…日本とアメリカに振り回されてきた庶民の苦しみと怒りの「沖縄の魂シリーズ」第4弾です。
「命口説(ヌチクドゥチ)」
このお話しの主人公は「基地観光のガイド」をしている老人。
常駐する軍用機は100機を越すと言われている極東最大のアメリカ空軍基地である嘉手納飛行場。
この飛行場近くの小高い丘で、観光客を相手に着陸する軍用機の説明をしている。
この飛行場が占める面積の9割以上が、強制接収された私有地で、彼もまた戦争で砂糖きび畑を接収された一人。
「天皇陛下の為、国家の為にこの土地を接収して飛行場を作る、って急に言う訳さ…
何が何だかわからない内に取り上げられて、日本軍の飛行場になって…
戦争が終わったら今度は、アメリカの飛行場になって…
土地は取り上げられたまま…戻って来ない…我ったあ言い分は、全然関係ない…」
すごい爆音とともに飛んでいく軍用機の数々を説明する老人、沖縄戦を知らない観光客の、戦闘機を間近に見れる喜びの反応に傷つきながらも淡々と暮らす主人公の言葉が胸を刺します。
戦争を知らない、沖縄の過去に興味のない、癒しの島としてきている観光客との対比が見事です。
津嘉山さんは舞台でもテレビ・映画でも成らした名優でいらっしゃるのですけれど、声優としてロバ―ト・デ・ニーロやケビン・コスナーなどをこなしていらっしゃるからでしょうか、声の使い分けをはじめ、感情に乗せていくテクニックが本当に素晴らしく、思わず感動で涙がこぼれてしまったほどです。
津嘉山正種さんは、いまや癒しの島になっている南海の小さな島沖縄だから「遠いからつい、対岸の火事になり、米軍人が引き起こす事故・事件が肌に刺さらないのです。癒しの島ということだけでなく、もう一面の沖縄を感じて欲しい」と。
米軍人の女性への性暴行、辺野古の埋め立て、宮古島などへの軍備強化など等、未だに続いているアメリカ占領下での沖縄の人々の姿、わずか80年前の悲惨な戦争体験を忘れて、またもや沖縄を日本の防波堤にしようとしている、沖縄の人々を見殺しにしようとしていることを、私たち日本人一人一人がちゃんと見て考えて、阻止しなければいけないとしみじみ思わせられた夜でした。