日本の貧困
シナリオ・センター代表の小林です。台風10号は甚大な被害を及ぼしながら熱帯低気圧になり、東北へと向かっているようですが、熱帯低気圧と言っても油断はできません。
東北地方には激しい雷雨の予報が出ています。
被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。
想像からかけ離れた天候に右往左往してしまいますが、またもや11号も発生したようでまだまだ台風シーズンは終わりません。
それにしても暑い夏でしたと9月になったのですから、過去形で言いたいところですが、どうも現在進行形は続くようです。
「誰もが熱中症リスクがあるのに対象世帯を制限し、買い替えも認めない要件は厳しすぎる。
また保護費は段階的に引き下げられており、やりくりで購入するのは相当難しい」と「国のエアコン施策があまりに現実に即していない」と立命館大の桜井啓太准教授(社会福祉学)は問題視しています。
エアコン補助も7万弱とたくさんくれるわけでないし、物価高騰や電気料金の値上げに家計を圧迫され、エアコンがあっても使用を控える家庭があるわけで、熱中症の屋内死亡の8割はエアコンを使っていないのです。
国は倹約してエアコンを使うようにと呼びかけているのだそうですが、節約に節約を重ねているのに、これ以上どこを倹約せよというのでしょう。
生活保護費は引き下げても、自分たちの給与は引き上げて当たり前の顔をしている国会議員の方々は、どうみているのでしょう。みていないんだろうなぁ。
「効率が上がらない企業は1回終わりにする」と河野デジタル相の発言などを聞くと、効率の悪い生活保護などの人は1回終わらせよう(2度を始まらないように?)としているに違いないと思ってしまいます。
基本的人権は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるのです。
世界へ向けて
9月に入りました。さすが芸術の秋はコンクールがにぎやかです。
テレビドラマ、ラジオドラマや小説などのコンクールも目白押しです。
夏の間に、資料集めやシナリオハンティングなどのお出かけになった方もいらっしゃるかと思います。
どのコンクールも、最近はコンクール作品の評価だけではなく、脚本家としてこれから一緒にやれる人を求めています。
特に局のコンクールでは、数人脚本家を集めてハリウッドのライターズルーム方式をやろうとしています。
TBSさんが、昨日の情報解禁で、1回目にどんな形で進めたのかをお話ししてくれています。
「TBSトップクリエイター陣の講義や、韓国からお招きし た著名な脚本家・クリエイター陣とのセッション、韓国ドラマの脚本講座、撮影現場見学などの様々な育成プログラムを受講しながら、TBS現役クリエイターとともにオリジナルの企画開発、脚本執筆を行っています。
日本だけではなく、世界に届く物語を我々と一緒に作りましょう! みなさんの挑戦をお待ちしています」とのこと。
世界発信を目指しているのです。どの局も映画会社も。
ですが、日本は、国が力を入れてくれないのでなかなかうまくいきません。
30年前くらいまでは新井一に韓国シナリオ作家協会の副会長さんが、シナリオの技術をお聞きに何年も通っていらしていたぐらいでしたのに、韓国語の「シナリオの基礎技術」を勉強してくださっていたのですが、今やすっかり韓国の脚本力は素晴らしく、魅力的な売れる作品をたくさん作って世界に発信しています。
日本は東南アジアの中でも、映画テレビは後れを取っています。
日本の場合は、国が文化・芸術に力を入れないから後れを取るのです。
韓国は国を挙げて映画やテレビドラマ、K-POPもすべて世界に発信できる作品づくりをしているそうです。国内という視点ではないのですね。
日本の映像界もアニメだけでなく、世界に向けて作っていきたいものです。
「TBS NEXT WRITERS CHALLENGE 2024」が9月1日から解禁となりました。9月30日締め切り。
「橋田賞新人脚本賞」は1時間ドラマが10月31日、短編ドラマが10月15日締め切り。
「日テレライターコンテスト2024」が11月30日(10/1から応募期間)締め切り。