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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

変化しない

諸国を遍歴する二人の騎士の物語

不条理社会

シナリオ・センター代表の小林です。朝からスマホで大騒ぎしていました。
昨日からLINEしても電話しても外にいると圏外でつながらなくなり、色々あちらこちら触りまくり、他人に見てもらったりしてもダメ・・・。
で、慌ててDOCOMOでみてもらったら、SIMカードの劣化とかで取り替えてくれて、一瞬で一見落着。
外でスマホを使えなくて焦りまくった自分自身にもびっくりですが、連絡をつけられない不安ってすごいなと思いました。
歩きスマホとか片時もスマホを離さない人っておかしいと思っていたのですが、私の中にも依存症的なものがあるのだと初めて知りました。
便利になることは有難いことですが、新たな不安とか依存の種も生み出すのですね。
人間が生きていく上でどこまでが必要なのか、ちょっと考えさせられました。

裏金問題も解決していないのに、まあ、自民党総裁ニュースがうるさいです。
どの候補を見ても気持ちは動かないので「興味はないわ」とそっぽを向きたいところですが、困ったことに与党自民党の総裁は日本の首相になっちゃうんですよね。
首相公選がいいかどうかは別として、誰が総裁になっても困ったままなのかと。
社会が変わるとは思えないからです。
だって、自分たちの周りも身ぎれいにできない人たちに何ができるのでしょう。
最低でもお金だけはきれいに収支を国民に見せて納得させて欲しいと思うのですが、最低ができないのですから、最低のままです。
少しでも最低にしないために、独裁できないように、野党を増やして好き勝手にさせないことしかないのですが、人材がねぇ~。
世の中すべて最低です。

不条理劇

9月28日から10月6日まで、吉祥寺シアターで劇団青年座さんの公演があります。
「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」
ご存じ別役実さんの最高傑作と言われる不条理劇。
不条理劇というとベケットの「ゴドーを待ちながら」が必ずあげられますが、色々話しているのに待ち人の正体もわからないし、最後まで待ち人も現れない。
こちらもご同様のような・・・。
私は若い時一度、「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」は、劇団テアトルエコーさんで拝見したことがあるのですが、別役実さんの傑作と言われる不条理劇なので、だからこそなのかどうかはわかりませんが、いまいちよく理解できませんでした。(笑)

この「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」のあらすじは、
荒野の一角にある移動式簡易宿泊所。病人を求めて移動してきた医師と看護婦。
死人を求めて移動してきた牧師。
三人がまだ見ぬ客のことで言い争っていると、宿の亭主とその娘が戻ってきた。
娘は、もうすぐ具合が悪そうな騎士と従者が訪れそうだと告げる。
そこに、それぞれの従者を引き連れて二人の騎士が現れた……

さて、どのように展開するのか、あらすじからしてよくわからない。(笑)
一般の演劇の多くは登場人物の行動によって変化し、社会や世界に主人公に影響を与えます。
「ドラマとは変化である」と新井一は言っていますよね。じゃなきゃ面白くならない。
ですが、不条理劇は「私たちがどうやっても世界はよくならない」「何をやっても変化しない」という前提にたっての表現なのだそうです。
社会や世界は登場人物の行動とは関係なく進行し、またはとどまり、どん詰まりの閉塞的なところに身を置いている登場人物たちが展開する話。基本ハッピーエンドとはかけ離れています。
で、ま、私みたいな凡人には理解しがたい。哲学を勉強しなくてはと思わされます。
ですが、今の日本を写す鏡のようなお芝居だと私は思います。
だから、青年座さんは今こそと別役実さんの不条理劇を掲げたのではないでしょうか。
私が、いや私だけでなくたくさんの人達がいくら怒っても腹を立てても変わらない社会や政治・・・そんな今だからこそ、この芝居は必要なのです。
考えることの大事さ、伝えることの必要性、想像力をめいっぱい働かせる大切さ・・・揺るがぬ社会に向かって必要な武器です。
シナリオ・センター事務局でもチケット予約受け付けています。

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