庶民の目
シナリオ・センター代表の小林です。湿度の高さに辟易しています。サウナに入っているような、金魚鉢に閉じ込められているような空気感で、口パクパクしちゃいます。
口パクパクは、お天気だけでなくニュースを見るたびに起こります。もしかして、こうやって余計なことを考える国民を殺そうとしている?と勘繰りたくなるほど驚くようなことを言う人たちが9人も立候補しています。
一番驚いたのは、しゃあしゃあと、殆どの議員は実質手取り30万くらいで生活していると宣う高市さん。
月収130万1千円もらって、+635万のボーナス、年収2000万の人が、年間360万で暮らして、あとの1640万は政治活動に使っているということ?
月100万円の文通費、65万の立法事務費、JRも航空運賃もただで、それでも足りないから政治資金は必要なんだって・・・。え~、そうなの?だったら、料亭や高級ホテルでの朝食会だの会食はなんなのですか?
3食を満足に食べられない親子が国民の7人に一人いることをどう思っているのでしょうか。
一番人気といわれる小泉さんは、「死ぬまで働け!」
74歳まで現役で働いて、年金受給は80歳からって、自分で掛けている年金なのに死ぬ間際まであげないよっていっています。
国会議員が納付する保険料は年約126万円。国民年金の15万5600円(2005年度)のざっと8倍だそうですが、国民年金が25年以上払い込まなければ1円ももらえないのに、国会議員年金は支払い期間が3年以上10年未満の場合、8割が戻ってくるんですって。
しかも最低でも年約412万円もらえるので、3年余でそっくり元が取れる。
自分たちはちゃっかりもらって、私たち国民の厚生年金の最高額は月30万、25年納めて年間360万円です。それを80歳にならないと受給できない?
この差、小泉さんは知っているのでしょうか。国会議員はバカに長生きする人が多いから90歳から受給っでいきましょう。
ああ~、私たちはこれからちゃんと、政治家たちの動向を見聞きしてもともな政治家を選びましょうね。
作家の目
7月度のギャラクシー賞に推奨されたドラマは、7作品。そのうち4作品が出身ライターの方々で受賞されたのは、「ドラマ10『燕は帰ってこない』」(NHK)長田育恵さん脚本です。
他の推奨作品は「あの子の子ども」(関テレ)蛭田直美さん、「降り積もれ孤独な死よ」(日テレ)橋本愛さん、「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音」(テレ東)小峰裕之さん。
どのドラマも面白く拝見しています。
「燕は戻ってこない」(桐野夏生さん原作)は、生殖医療、代理母をテーマにした作品のクオリティ―の高さを絶賛されての受賞です。
脚本家の長田郁恵さんは朝ドラ「らんまん」でも大きな評価を受けられて、橋田賞などを受賞されていますが、長田さんはもともと舞台出身、戯曲でも「鶴屋南北戯曲賞」など多数受賞されています。
演劇と映像の違いは、シナリオ・センターの受講生なら一番先に習うところですが、その戯曲から学んだことを映像にもっていっている長田さんの手腕はさすがです。
長田さんはインタビューに応えて、戯曲を志された動機は
「小説はどんな感情や風景も言葉で書き表せるのが凄いと思っていたけれど、演劇の言葉は言葉のない時間のための滑走路を全部敷いていたのだというのがわかって、これは面白い、そんな作劇をやってみたいと自分で明確に思ったのです」
脚本を書く時に心がけていることは
「劇中の人物たちは、一度しかないその人だけの人生を生きています。決して道具じゃない。
俳優たちは脚本家が用意した言葉とともに、生身で観客の前に立ち、相手とのやり取りの中で互いがどんな感情でどんな人間であるかを示し合う。
セリフは人物を堀りだす彫刻刀のような役割を果たしているので、その人物の体重が乗って自分の命までそのまま喋っているような言葉、人間の肉体と近い言葉を紡ぎたいです」
これからのテレビについて
「SNSや配信の発達で、視聴者もうわべだけのものに騙されたくない気持ちが強くなっているので、よりごまかしの利かないものになっていくのではないかと思います。
作り手は安易な笑いの取り方はもうできないし、ドラマでも真っ向勝負で本当に面白いものを作らなきゃいけない。自分もレベルアップしていきたいです。」
長田さんの作家の目は、どんどん高みを目指しているようです。