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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

顔が大事

ちゃからかぽん~おやこ相談屋雑記帳~(集英社文庫)

シナリオ・センター代表の小林です。神も仏もあったもんじゃないと思います。復興半ばというよりも全く復興をしていない能登にまた大雨を降らせて、これでもかの仕打ち。
災害の様子を写すニュースだけでも胸が塞がります。
それだけでも悲しいのに、「物資が届いていないことにびっくりした」と平気で言える県知事も、ニューヨークで能登復興のためとニコニコ顔でお酒を売り込む日本の首相も、国民の上に立つべき人たちが誰一人能登のことを本気で思っていない、他人事なのが本当にイヤ。
そんな風にできるのは、自分は痛くもかゆくもないからです。
少なくとも、被災者の方々の気持ちを想像して欲しいです。
今一番にやることなんだということ、優先順位もどんなことを求められているのかもわからない人が上に立っているのです。
この国は、地に落ちています。

どなたかがSNSで、災害の時に閣僚・議員たちがいつも宴会しているという表を出していましたが、それを見ると運悪く(?)災害が起きる時に宴会とぶつかってしまうというよりは、常に宴会しているんじゃないのって気もしなくはないですよね。
三度のごはんも食べられない子供たち、年金だけでは生きていけない老人たち、病気になっても診療もうけられない非正規雇用の方たち・・・言い出せばきりがないですが、国民のことなど歯牙にもかけていないのです。
このままだと、どこかの国に侵略される前に日本は終わります。
復興はもちろんですが、それ以上に大事なのは災害からの防衛をしっかりとやらなくては国は滅びます。
武器を買うより災害から守る装備をすることが大優先ではありませんか。
異常気象が当たり前になっているのに、何故その対策も練らず、米の減反をはじめ、昔通り前のままでいられると思っているのでしょうか。
今週中に日本の顔が決まります。大体、能登を尻目に総裁選に血道を上げていることもイヤ。
日本の顔にしたくない人ばかりですが、せめて国を支えているのは、そして支えていくのは、自分ではなく国民だということ頭に叩き込んで欲しいです。

シリーズ

出身作家の野口卓さんの「ちゃからかぽん~おやこ相談屋雑記帳~」(集英社文庫)を思わず書店で手に取りました。
いやぁ、こういうシリーズのあり方って面白い。さすが野口さんだなぁと。
2018年からこのシリーズは始まりました。
その時のタイトルは「なんてやつだ~よろず相談屋繁盛記~」
この「よろず相談屋繁盛記」と銘打っていたのは5巻まで、その後は主人公の信吾が結婚して「めおと相談屋奮闘記」になりました。それが10巻。
青春時代小説シリーズでした。
15巻目から今回の18巻目は「おやこ相談屋雑記帳」、こちらはちょっと体裁を変えて相談屋の短篇5編シリーズになっています。
6年の間に18巻、1年に2冊も出され、主人公も成長していくのです。
将棋会所をやりながらよろず相談をする信吾が主人公ですが、三歳の時に大病を患って動物と話せる能力を持ち、時には天の声が聴こえることがあるという特殊能力を持っています。
この特殊能力を得たのは自分が果たすべき役割があるに違いないと思って、困った人を助けるべきとよろず相談屋をはじめます。
時代小説でこうしたキャラクターを創られるって面白いですよね。

野口さんは、様々な職業を経て、ラジオドラマや戯曲を執筆され、落語やシェイクスピアにも造詣が深く、引き出しをいっぱいお持ちの方です。
長―くシリーズを書き続けられるというのは、このように引き出しの中にたくさんネタをお持ちだからだと思います。
小説でも脚本でも感性だけでは書けません。どれだけ色々な知識・教養を持っているか、そこが長―く活躍するための勝負となります。
シリーズが長く続くというのは、それだけの技量をため込んでいないとできないということですね。
自分が興味のあることから始まって、あちらこちらにアンテナを立て、引き出しをいっぱい作って創作へ向かいたいものです。

明日はお休みさせていただきます。

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