こんにちは。
今回、出前授業「キッズシナリオ」のリポートを担当します唐下です。
僕がご紹介するのは、横浜市立 小雀小学校5年生の子どもたち。
担任の先生によると、「『桃太郎』や『ウサギとカメ』のような昔話や童話を参考にして、オリジナルの物語を作りたいと思っています。目標は小学2年生にも分かるように作ること。でも、物語ってどうやって作るんだろう?と悩んでいる子どもたちが多くて……」ということでした。
そこで、シナリオ・センターの新井とともに、みんなのもとへ!
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・サービス名:昔話や童話を参考にしてオリジナルの物語を作ろう!
・目的:小学2年生にも分かるシナリオを書くこと
・対象:横浜市立 小雀小学校さま(5年生)
・時間:約45分
※キッズシナリオの詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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どうやら物語を考えるときに構成や展開から入っているみたい
キッズシナリオでは子どもたちから、「先生」ではなく、ニックネームで呼んでもらっています。
新井は「かずちゃん」。ちなみに僕は「ひろくん」です。
そんな、かずちゃん&ひろくんコンビで到着した大船駅。
そこを出ると、高台に大きな聖観音菩薩像。
優しい笑顔の観音様にパワーをもらい、気合十分。
そして何より心強いのは、これまでたくさんの子どもたちにシナリオの技術をお届けしてきたかずちゃんがいることですよ。子どもたちにお伝えする内容も、もうバッチリ決まってますよね。
ね?
「う~んとね。まだ決めてない」
「(ガーン……)」
「いや、担任の先生が熱心で、昨日の夜も電話をいただいていろいろリクエストがあったので、もう当日 子どもたちに直接聞きながらやろうかなと思ってね」
そういうことか!ちゃんと理由があったわけですね。
かずちゃんは、実際子どもたちと話して、物語作りのどんなことに困っているのかを聞いたうえで、どんなサポートがベストなのか考えていくことにした模様。
で 早速、子どもたちと話してみて、分かったみたい。
どうやら物語を考えるとき、どんな話にするか、いきなり展開を考えるところから入っている、ということを。だから、途中でよく分からなくなって行き詰ってしまうと。
子どもたちの気持ち、僕すっごく分かります。
「こういう話なら面白いかも!」って、いきなり展開をどんどん考えたくなっちゃいますよね。
でも、かずちゃんによると、物語を考えるとき、最初に考えておくといいよ!ということがあるみたいです。
キャラクターが変わると、物語の展開も変わります
まずかずちゃんは、『桃太郎』の登場シーンを使って、登場人物の「キャラクター(性格)」の大切さをお話ししました。
かずちゃんが「もし桃太郎が臆病な性格だったら、どんな風に桃から生まれるかな?」と聞くと、子どもたちからは「生まれてから隅っこで体を丸める!」「一度開いた桃を閉じる!」という答えが。
続いて、「じゃあ、勇敢な性格の桃太郎だったら?」とさらに聞いてみると、「おばあさんの包丁で“真剣白刃取り”する!」「自ら桃を突き破って出てくる!」といった答えが返ってきました。
このやりとりで、子どもたちは気づいたのです。
「キャラクターが変わると、物語の展開も変わる」ということを。
「桃太郎が鬼退治に行く」というストーリーでも、キャラクターが違えば、鬼退治に向かうまでのエピソードや、鬼退治の仕方も、全然違ってきます。
だから、物語を作るときはまず、どんなキャラクターの主人公にしようか決める。
かずちゃんはまずこのポイントを子どもたちにお伝えしました。
キャラクターを決めてから、何をしようとする話か考える
次にかずちゃんがお伝えしたのが「1行ストーリー」。
1行で『〇〇な性格の主人公が、〇〇しようとする話』と考えます。
例えば、『正義感の強い桃太郎が、鬼と仲良くなる話』を考えたとしたら。
かずちゃんはみんなに問いかけました。
「最初の部分で、鬼がどんな行動をすると続きが気になると思う?」
すると、「鬼が茂みの陰から桃太郎が生まれるのをじっと見ている」というアイデアが。
うまい!
そしてなにより、子どもたちみんな、主人公のキャラクターに沿った物語の展開を想像して、ワクワクしていることがうれしい!
そうなんです。
主人公のキャラクターを決めてから、その主人公が何をしようとする話か、を考える。
すると、どんな展開になるのか、を考えやすくなるのです。
授業終了後はステキな余韻も
45分の授業はあっという間に終了。楽しいと時間が経つのが早いですね。
でも、子どもたちに楽しんでもらえたようで良かった!
また、帰り際に担任の先生からこんな言葉を。
「主人公のキャラクターが違うだけで、桃太郎という同じ主人公の話を書いても全然違う物語になるんだ!と知ることができて良かったです。子どもたちの中には物語作りにあまり興味がない子もいたのですが、すごく楽しそうに授業を受けていて、授業の後もずっとキャラクターの話を夢中でしていて。その姿に感激してしまいました!」
かずちゃんも僕もその話を聞いて感動。
ステキな余韻をかみしめながら、帰路に就いたかずちゃん&ひろくんコンビでした。
またこんなふうに、キッズシナリオを通して、子どもたちや先生に物語作りを楽しんで喜んでもらえたら。今回のブログをご覧いただいて、「うちの学校にも来てほしい!」ということでしたら、シナリオ・センターまでお気軽にご連絡ください。
以上、ひろくん こと 唐下がお伝えしました。
※その他、いろいろな学校で実施したキッズシナリオも模様もご覧ください。
▼コミュニケーション力 を上げるシナリオ研修 事例まとめ
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▼面白い物語になっているかチェック!『シナリオ・センター式 物語のつくり方』