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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

他人を想う

あの日、小林書店で(PHP文庫)

おもいやり

シナリオ・センター代表の小林です。10年ぶりに上京予定だった米子在住の友人が体調を崩してドタキャンになり、東京で一緒に泊まるはずだったホテルをキャンセルしなくてはならなくなりました。
大浴場もあるというので、もったいないから(笑)友人なしでお泊りしてきました。
神宮外苑、オリンピック競技場のそばのホテルで、部屋からみえる神宮球場も秩父宮ラグビー場も青々としてきれいなこと。
雨になっちゃったけれど、シナリオ・センターの目と鼻の先で宿泊してホテルからの出勤って、ちょっと気分アゲアゲになりました。

袴田事件再審、検察は控訴を断念しました。よかった、これ以上はご本人はもちろんですが、お姉様がお気の毒で、「疑わしきは罰せず」から遥か外れての今ですものね。
それでも、「静岡地裁の判決は、多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容である」としつこい。
プライドよりも人の一生を破壊したことへの申し訳なさはないのでしょうか。
「再審請求審における司法判断が区々になったことなどにより、袴田さんが結果として、相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも思いを致し、熟慮を重ねた結果、検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断にいたった」言い訳といい、なんかすべて偉そうですね~。
証拠を捏造したかどうかは藪の中ですが、この国は、司法も立法も行政も三権共に、人に対してのおもいやりが微塵もありません。
司る人たちが自分は偉いと思い過ぎている、下々をはなからバカにしているからでしょうね。
しっかりと憲法を読み込んで欲しいものです。

あの日、小林書店で

出身作家の川上徹也さんが、「仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ」(ポプラ社)を4年ちょっと前に出されたことを覚えていらっしゃる方もおいでかと思います。
この表参道シナリオ日記でも
「コピーライターでビジネス書を数多く書かれている出身ライターの川上徹也さんが、初めてビジネス書ではなく小説を書かれました。
小説と言っても実在する書店をモデルにしたノンフィクション&ノベルという新しいジャンルです。」という書き出しで、尼崎にある実在の小林書店のお話しをご紹介しました。

その5年後、2024年今年の5月の惜しまれながら小林書店は閉店しました。(本当の話です)
川上さんは教えを請うた小林書店のその後もずーっと見守り続けており、主人公の由美子さんやその夫の昌弘さんなどの実在する皆さんのその後を描きたいと思われたのです。
今回「5年後のあの日の続き」を書いた「あの日、小林書店で」(PHP文庫)が上梓されました。
今回もノンフィクションとノベルを融合させた小説になっています。

書店をやっていくことがいかに大変かということもビジネス書的にわかりやすく描かれていますが、それ以上に大事なことは人と人の絆だということです。
小林書店がなくなるのは困るから自分たちのできることをしたいという「小林書店互助会」というLINEグループを作って配達してくれたりする近所のお客さんたち。
こうしたお客さんは一朝一夕でできるものではありません。
長い間、それこそ愛情を持ってお客様と本の間を取り持ってきたからこそです。
これは本屋さんだけのことではないと思います。
どんな店もどんな会社もお客様との人としてのふれあいができているかどうかだと思うのです。
私もシナリオを通して、受講生の皆様とちゃんとコミュニケーションをとれていただろうか、この本を読んでは自問自答しています。
志を同じくする方々が集うシナリオ・センターというコミューンも小林書店のようにありたいと思いながら1ページ1ページをめくりました。
他人に対する想像力が欠如している昨今、仕事はもとより人生とはかくありたいと思う1冊です。
ぜひお読みください。

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