シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。松井広島市長は、平和宣言の中で「絶対悪」という言葉を使われました。
「絶対悪」は、善悪様々な見方があるので現実として「絶対」はありえないというのが通常の定義です。にもかからず「絶対悪」と表現された。まさに心から平和を願う方の言葉だと思いました。
今年、原爆死没者慰霊碑に入られた方は5859人、28万6814人の死没者名簿が慰霊碑に納められ、20万1779人の被爆者の方々が68年経った今も苦しんでいらっしゃいます。
こんな長い歴史、経験と現実があるにもかかわらず、原爆も原発も、影響を軽く考えているようにしかみえない政府、政治家の対応をみているせいでしょうか「核廃絶に力を尽くす」と広島市長と同じことをおっしゃった安倍首相の挨拶が、ただの挨拶にしか聞こえなかったのは、私だけでしょうか。
私は、見方考え方は様々ある、すべてに正解がないとシナリオを通して申し上げていますが、核だけは「絶対悪」であると思います。
9日は長崎の原爆記念日です。15日は終戦記念日。
8月は「大切なこととは何か」と自分と向かい合う月でありたいと思います。
広島の被爆者語り部の沼田鈴子さんをモデルにした映画「アオギリにたくして」のお話を前にもさせていただきましたが、広島で上映会を終え、今週の金曜日まで東京渋谷の渋谷アップルリンクでモーニングショー(朝10時上映)を行っています。
広島市長の平和宣言では、被爆者個々の逸話から始まりました。
「無事男の子を出産してお祝いしているときに原爆が炸裂。一瞬にして新しい命とともに消え去ってしまった」「幼くして家族を奪われ、かろうじて生き延びた原爆孤児は苦難と孤独、病に耐えながら生涯家族も持てず孤老となった」「生後8ヶ月で被爆し、結婚した女性は被爆者だと知られたとたんに離婚された」
被爆者の方々はいわれのない風評によって、結婚や就職、出産という人生の節目節目に苦しめられてきたというお話でした。
この「アオギリにたくして」のモデル沼田鈴子さんもそのおひとり。だからこそ原爆の、戦争のむごさを伝えねばならないと思い、被爆者として語り部になられたのです。そんな沼田さんの生涯を描いています。
「アオギリに託して」は、8月末から9月にかけて東京で上映会を予定しているようですが、今週ご覧になる方が、広島長崎への想いがより深くなるかと思います。明日明後日の2日間ですが、足を運んでください。
大阪の方は、8月10日、大阪十三・シアターセブンで16:30から。また、広島で9月23日、埼玉で10月9日が決まっています。
詳しくはhttp://aogiri-movie.net/screen/ で、ご覧下さい。上映会情報も随時更新されていきます。