違憲
シナリオ・センター代表の小林です。1日は、打ち合わせに出たままになってしまい「表参道シナリオ日記」を図らずも休んでしまいました。失礼いたしました。
文化の日、漫画家、文化・芸術の香りがする日だと思います。
でも、1日じゃダメなんですよね。年に一度ではなく常日頃文化・芸術に力を入れて欲しい、お上が理解をして欲しいと思います。
心が文化・芸術に向かっていれば、戦争など起きるはずもありませんから。
民法、戸籍法の規定で同性婚を認めていないのは憲法違反だという訴えを起こし続け、地裁では「違憲」との判決もありましたが、やっと東京高裁で「同性婚認めない規定は違憲」という判決がでました。
私の大好きな憲法14条(「虎に翼」でおなじみですね)法の下の平等の保障と婚姻や家族に関わる法整備の在り方を定めた24条2項に反して「違憲」と判断しました。
国への賠償責任は認められなかったものの、ともかく、同性婚が認められたことは、このろくでもない政情、社会の中で久しぶりに光を見た気がします。
自治体では「パートナーシップ制度」も広がり、世論も同性婚に賛成する人が増えているのに、選択制夫婦別姓もそうですが、いまだに国は頑なです。
なにかというとこどもを盾にとって、同性婚も、選択制夫婦別姓も反対します。
いわく「一体感を持つ強い絆のある家庭に、健全な心を持つ子供が育つものであり、家族がバラバラの姓であることは、家族の一体感を失う。子供の心の健全な成長のことを考えたとき、夫婦・家族が一体感を持つ同一の姓であることがいいということは言うまでもない。」
はあ、何言っての?
苗字が違おうと、異性でなかろうと、血が繋がっていなかろうと家族の絆は形で繋がっているものではないと思います。
反対する人たちは旧統一教会の教義、日本会議の意向が丸見えで明治の「家制度」を見ているようです。
こんな他人に対して心がない人たちを議員にしてはいけません。お上として牛耳させてはいけません。
この頑な発想こそが社会をだめにしているのだと、声を大にしていいたいです。
オリジナリティ
シナリオのコンクールも多くなりました。コンクールからプロへと巣立った方もたくさんいらっしゃいます。
最近のシナリオコンクールの傾向は、作品で選ぶから、プロとして活躍できそうな人を選ぶ傾向になってきました。
TBSさんや日本テレビさんのコンクールはまさにそうでしたね。
今放映中のNHK「3000万」は、2022年NHKで新たに立ち上げた “脚本開発チーム”WDRプロジェクトから生まれたドラマです。
シナリオ・センターの弥重早希子さんの企画を基に作られ、弥重さんもチームのひとりとして脚本執筆もされています。それぞれの人間の業、弱さが見えてめちゃくちゃ面白い。
テレビ局も映画界も配信業界もゲーム業界も、どこもかしこもライター不足を嘆かれています。
おかげさまでシナリオ・センターのライターズバンクへのオファーも途切れずいただくことができています。
チャンスはたくさんあるのですからシナリオライター志望の方々にはしっかりとシナリオの技術を身につけて、プロの道へまい進して欲しいです。
ただ、頑張れば結果が出るわけではありません。
原作からオリジナル志向へと移りつつある今、大事なポイントがあります。
みんなと同じじゃダメだってこと。
本来、人は誰しも同じ人はいません。ひとりも。
「みんな違ってみんないい」ので、違うものができるはずなのになぜか同じような発想だったりします。
シナリオ作家養成講座の説明会では、いつも参加者の方に同じ設定のシナリオで登場人物のセリフを一言書いてもらっています。
同じ設定なのに面白いほどみーんな違う。当たり前と言えば当り前、何度も言います、みんな違うのですから。
これは一瞬のひらめきで書いてもらうので、上手く見せたい、面白いと言ってもらいたいところまで考えが及ばずに、パッとでてきた自分なりの発想を出すしかないからだと思います。
で、オリジナリティの高いものを書くためには、こうしてみたらどうでしょう。
まず自分が思ったように描く、ともかく自分の想いに固執して描く。
で、次が大事。他人に読んでもらう。できれば、シナリオをよく知らない人に。
大事なのは、読んだ人の頭の中に作者の考えた映像が浮かんだかです。登場人物に感情移入してもらえたかです。
???って言われたら、どこにどんな技術を入れこめば、映像が浮かぶかを考えましょう。
そうそう批評はどんなに不愉快でも聞く耳を持ってください。自分の感性と他人の感性が違うことを認識しましょう。
シナリオは読み物ではありません。読んで映像がはっきり浮かんでナンボです。