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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ひととなり

秋の大和路

百年の計

シナリオ・センター代表の小林です。秋も深まって来て、神宮外苑の銀杏並木も半分くらい色づいてきました。輝くような黄金色の日々ももうすぐでしょう。

外苑球場側では、伐採も始まり、反対の声を無視して、どんどん進めて行こうとしています。
東京都は外苑だけでなく、樹木伐採して高層ビルを建てられるよう、あちこちで伐採許可を出しています。近隣の反対の声すら聞く気がなく、どこの説明会もおざなりだそうです。
樹木は100年も200年もかけて大きくなり、人々を暑さや寒さから守ってくれます。高層ビルは50年でほぼ廃墟になり、地震などで一部崩壊でも直しようがないのだそうです。

お上というのは、民を守るために百年の計を立てる人たちだと思っていました。
高学歴のお勉強ができる頭脳明晰な方々が揃っているのですから、きっと日本の未来をしっかり考えているに違いないと。
昨今の国や東京都はじめ自治体をみると、どうも違うらしい。
目先のことしか考えていない、それすら間違っていたりする気がするのですが・・・どうなのでしょう。
2024年出生数が70万人に落ち込んでいるのだそうです。
日本の人口は現在約1億2500万人。2070年までに約30%減少し、8700万人になると予測されており、国民の4割が65歳以上の高齢者になる見込みなのだとか。
いやいやまずいでしょう。高層ビルやマンションなんて人口減るのにいらないでしょ。
ちゃんとした少子化対策が急務です。
付け焼刃ではなく抜本的に男女差を見直して、男性社会から女性社会に変えるくらいの、お国が育てるくらいの(いやだけど(笑))気概を持って、真剣に取り組んで欲しいです。
目先の利益ばかりを追うお上たちの姿は、本当に醜い。
お上たちは人として最低なくず人間の集まりにしか見えません。(侮辱罪にあたりますか?)

山田太一からの手紙

昨日の夜中、再放送の「山田太一からの手紙」(ETV)を見ていました。
2023年11月に死去した脚本家山田太一さんは筆まめで知られ、仕事仲間や知人、ファンなど多くの人に手紙を書いて送っていたということを初めて知って、その手紙の数といい、内容といいすべてに圧倒された想いで見入ってしまいました。
それらの手紙には、山田さんのテレビドラマへの熱い思い、当時のテレビのありようへの違和感もつづられていました。

俳優の中島唱子さん、小倉蒼蛙さんには、若く、経験も少ない、コンプレックスの塊の彼らだからこそ持つ魅力をどれだけを見出しているかが書かれており、インタビューで訊かなくても彼らがどんなに勇気づけられたかが如実にわかるお手紙でした。
脚本家では岡田恵和さんに「最後から二番目の恋」を見て突然送られて来た手紙。
山田太一さんを尊敬してやまない岡田さんが受け取った時、どれほど驚き、喜ばれたのだろうと、私まで胸がキュンとしてしまいました。
山田さんの手紙には、山田さんがご自分と同じ肌感を岡田さんに感じていらっしゃることがよくわかり、次代を託されているのだと思いました。

岡田さんが、山田太一さんが大好きで、山田太一さんのシナリオを書き写した話は、ご本人からお聞きしたことがあります。
ですが今回、3回も書き写していることは初めて知りました。
1回はそのままひたすら、2回目はシーン割りやセリフなどを注意して、3回目は自分だったらここはどう描くだろうと・・・。
書き写すって、やっぱり写ってくるのですよね、きっと作者の人となりも。
山田太一さんの市井の人々の、それも当たり前の日常を送っている人へのさりげない目線は、岡田さんの目線ととてもよく似ているように私は思っています。

インタビュアーを務められた合津さんの「取材を経て、テレビを愛し、真摯に『弱きものに手を差し伸べる』山田さんの生きる姿勢を垣間見る思いがした」とコメントは心に沁みました。
その上で、私は『弱きものに手を差し伸べる姿勢』という以上に、普通に暮らす大変さを知っているからこその(普通の定義はさておいて)普通の人が持っている力というか心根を信じていらしたのではないかと勝手に思っています。
山田さんが後輩岡田さんへ送った手紙からそんなことを感じてしまいました。

先輩が後輩に贈る手紙って、暖かくていいですね。
シナリオ・センターでも、先輩と後輩の交流みたいなものができたらいいなと思いました。

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