マイナス?
シナリオ・センター代表の小林です。すっかり初冬の様相になってきました。
神宮外苑の銀杏並木もなかなか色づかないと思っていたら、急に寒くなった途端あっという間に色づき、自然の偉大さに気が付かされます。
伐採なんていう仕業は、人間の驕りにしか思えません。何十年何百年の樹々の声を聴くべきです。
12月から、ついにマイナ保険証が施行されます。
お上というのは何を考えているのでしょう。
木で鼻をくくったような答弁を繰り返し、大騒ぎして何兆もお金をばら撒いて、それなのに今日現在でも15%の利用率しかない「マイナ保険証」にどこまでこだわるのでしょう。
デジタル化したい気持ちはわかります。
でも、付け焼刃に進めていっても、特にデジタル化はトラブルが広がるだけです。しかもアナログよりトラブった時はとても大変になる。
そんなことはプロの方々は重々お分かりだと思うのですが、何故急ぐのでしょう。
どうしても理解ができなのです。
その上、マイナンバーカードを持たない人には、保険証の代わりとなる「資格確認書」が配布されるって、ムダなお金を使う意味は全く理解を越えてしまいます。
今ある保険証を引き続き使って、きちんと施行できる体制になったら変えればいいだけのことではないでしょうか。
福岡厚労大臣は会見で「国民の皆様の不安解消に向けた取り組みを引き続き丁寧に進めながら、利用促進に努めてまいりたい」と言っていましたが、何が問題なのかわかっているのでしょうか。
わかっているなら、延期すべきだと思いますけれど・・・やる意味のないことをして、他人のお金だと思って湯水のように勝手に使わないで欲しいです。
広告費も、印刷代も全く不要なお金だと思いますが。
警視庁01教場 センシティブキリング
「警視庁01教場 センシティブキリング」(角川文庫刊)
出身作家吉川英梨さんの教場01シリーズ、新しい教場が開かれました。
警視庁53教場から始まったこの教場シリーズですが、どのお話しも警察小説としてはとても人間臭い、むしろ事件よりも教官と学生とのふれあい、教官の学生たちに対する愛情の深さに感動します。
01教場は、犯人逮捕のために大怪我をし、相貌失認になった甘粕仁子が主人公です。
相貌失認の仁子は、脳の働きが変わったのか臭いにも敏感になってしまう。教場には新しい学生が入り、殺人未遂事件があるという噂の玄煌部屋の元力士玄松一輝もその一人。
学校近辺で不可解な転落事故が起こり、その場近くにいた仁子の鼻は「殺人のにおい」を嗅ぐ。
学生の顔も認識できない仁子はさらに、嗅覚過敏だけでなく味覚、触覚と過敏症は悪化の一途をたどっていくのですが、助教の塩見の献身的なサポートで真相に迫っていきます。
「センシティブキリング」では、それぞれのキャラクターの事情がより深く事件と絡まっていきます。
なので、ラストの卒業式では、思わず甘粕仁子になって泣かされてしまいました。
ひとり一人のキャラが立っているからそれぞれの役割が見事で、それでいて、予定調和にならない。うまいんですね、吉川さん。
私は、53教場の五味教官が推しなのですが、今回は育児休暇のためにあまり出てきません。
でも、悩む仁子に大事なヒントを与えてくれる、大事なシーンにはちょっと出てくるんですね、私の五味さんは。(笑)
こうしたやり方もさすがです。シリーズものの良さを感じさせるキャスティング。
キャラクターがすべて立っているからシリーズ開始から7冊目のこの「センシティブキリング」でも大きな役割を果たしてくれるのです。
これだけ読んでもOKですが、できれば53教場から、そこまではという方は、一つ前の警視庁01教場から読んで欲しいです。
ですけれど、これを読んだらゼーンブ読みたくなっちゃいますよ、ゼッタイ。
私事で恐縮ですが、明日は「表参道シナリオ日記」お休みさせていただきます。