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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ひとつのセリフが大きな影響を与え、想像力を広げる。

シナリオ・センター代表の小林です。中旬まで暑さは続くようです。
睡眠不足にお気をつけ下さい。
7時半に起きて、うつろな頭でBSNHK「あまちゃん」をみます。15分後、しゃきっと確認しながら地上波で「あまちゃん」をみます。私の起床時間7:30AM。
「あまちゃん」が面白くなければ、もっと寝ていられるのに。 

じんじんの絵本

早起きになった私は、今週はモーニングショー通いをしました。

「じんじん」と「アオギリにたくして」です。
「じんじん」は、サスペンスの女王と呼ばれる坂上かつえさんの脚本です。
絵本の里として読み聞かせを行っている北海道の剣淵町と出会って感銘うけた俳優の大地康雄さんが企画し、坂上さんに脚本依頼したもの。
坂上さんは、サスペンスの女王といわれていますが、実はこういう人間同士のふれあいを描く方がお好きなんですね。なので、とても楽しく書かれたとか。
そんな坂上さんの温かな人間を見つめる視点がすばらしく、感動しました。
しかも、北海道の剣淵町と宮城の松島の町興しも兼ねている映画なのですが、まったく観光としては描かれていない。
よくあるご当地映画とか観光映画とはまったく一線を画しています。

それでいて、ドラマの中でさりげなく町々のいいところを魅せて行く坂上さんのテクニックに脱帽。
広島平和記念資料館の志賀館長から
「映画の中のセリフ『名前を知ったら特別な存在なんだ』にふれ、原爆を投下した搭乗員や米国の指導者が広島に住む一人の市民の名前を知っていたら、あんな原爆をおとしたろうか。思わず考えてしまいました。これから大学など若い人へ話す機会がありますので、このセリフを使わせていただこうと思っております」というお手紙をいただいたとお聴きました。
ひとつのセリフが、大きな影響を与えるのです。こういうセリフこそが名台詞というのです。
坂上さんはすごい!観る人に感じてもらえる、想像してもらえることこそドラマの本質だと思います。


期せずして広島つながりになってしまいましたが、昨日ご紹介した「アオギリにたくして」は、同じように事実に即したお話です。原作・脚本・監督は出身ライターの中村柊斗さん。
原爆がいかに長く、人を苦しめるのか。またその瞬間のすごさを想像させる映画でした。
とても重い事実なだけに、心が痛みます。
被爆者同志だからこそ結婚できなかった・・・被爆者ではない私たちの想像をはるかに超える事実が描かれています。

 どちらの映画も秋から来年にかけて、全国を回っていきます。是非お見逃なく。
「じんじん」と「アオギリにたくして」です。名前を知ったら特別な存在なんだ。

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