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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

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Senryu(アメージング主出版)

99.9%

シナリオ・センター代表の小林です。12月って、いつも以上にどんどん時がたっていくいくような気がしませんか?
あっと言う間に年末、お正月がきて・・・2025年は創立55周年で、色々やらなくてはいけないことがあるから、今年以上にすごーーーーいスピードで流されていくような予感がします。
体力つけて頑張らねばと思いついつい食べてしまって(言い訳)、力はあるけど過重すぎて足腰が痛くなるって、本末転倒なことを繰り返している私ですが、来年こそはね。(笑)

能登半島地震被災地の再起を図るため、石川県は「能登復興応援基金」を創設することを決め、12月県議会に関連議案を提案したというニュースを見ました。
この原資になったのは、県でもなければ国でもない、歌手の吉川晃司さんと、ギタリストの布袋寅泰さんの2人による伝説のユニット「COMPLEX」の復興支援コンサートの収益金10億円。
おふたりは、東日本大震災の時も復興支援コンサートを行って6億円を寄付されていらっしゃいます。
何をするのも素早く動くのは、国じゃないのですね。
で、せっかくのおふたりの気持ちを、県で基金にするというのは大丈夫かと思ってしまいます。
かといって、吉川さんと布袋さんが、被災地回って直接被災者の方々にお金を渡すことはできないですけれども・・・でも、心配。
要は、私は信用できないのです、公の人々を。
国会議員も県知事も官僚も、本当に誰一人公の人を信用できません。中にはちゃんとした人もいらっしゃるかもしれませんが、有罪率99.9%と同じようにしか思えません。
こんな悲しい国にいつからなったのでしょうか。
「嘘をつかない、言ったことはちゃんとやる」、子どもに言うような最低限のことをお上に向かって言い続けていかないといけないなんて。

川柳

脚本家であられた杉昌英さんは、今は、「現代川柳」の杉山昌善さんとして、指導者としてご活躍されています。
今回、立命館アジア太平洋大学名誉教授ジョーゼフ・ヒックス氏と組まれて、「現代川柳」の英訳本「Senryu」を出版されました。
川柳は、俳句と同じように十七文字で表現するものですが、人間のドラマ性がより濃い表現の一つのようです。

杉山さんは、ドラマではなく十七文字での人間ドラマの創作を楽しんでいらっしゃるとか。
俳句は世界的に有名になり、訳本も多いのですが、川柳はあまりないようで、俳句よりわかりやすい川柳を英訳して、多くの方に認知してもらえればと杉山さん。
「川柳は、俳句と同じ5・7・5を使いますが、四季の代わりに、人間とその愚かさに焦点を当て、作品はユーモアと痛烈な皮肉に満ちています。
また、人間が最も恐れる『死』と『性』もテーマにしています。
現代川柳のテーマの多くは普遍的なものです。夫と妻がペンの剣を振りかざし、皮肉のインクを使ってお互いを攻撃することで、男女間の戦いも見られます。自分の愚かさへの後悔、親への反省など。」(Senryuから)

「人間を創りて神の知らんぷり」“Anⅾ as if He didin’t know any better”! God created Man
「妻が来る味方を呼んだはずなのに」
「日の丸の赤は戦で流した血」
「聞く耳を持たぬ兎と夫婦です」
「女好き爪のカタチは父に似て」
「あの日あの時吠えていたらの五十年」
「母を焼く父を恋した指のまま」
「生きるとは毎日ドアを閉めること」
「アルバムの厚さに長女次女がいる」
「この恋も多数決なら決まりそう」

英訳はよくわかりませんが、十七文字の中に人間・人生を描いて世界を広げていくってすごい芸術ですね、川柳は。
杉山さんは、ドラマを創られていらしただけに、視点が鋭い。
川柳ってシナリオの勉強にもなりそうですね。
テーマが明確に何を描きたいかを1行で表す勉強になりそうです。
「Senryu」(アメージング出版)是非、お読みください。

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