人間性
シナリオ・センター代表の小林です。立春過ぎたのに、日本海側は大雪、窓の外も心の中も寒さ厳しい毎日です。
58歳の維新の元衆議院議員が13歳の子どもに性的暴力を奮って、執行猶予5年っておかしな判決ではないですか。
子どもにどれだけの傷を負わせたと思っているのですか。一生残るんですよ。
性犯罪は死刑であったり無期懲役だったりする国もあるのに、日本って、性犯罪を甘く見過ぎてはいませんか。
日本の男性は、男尊女卑が根強く心の底にあるような気がします。
今回の中居さんの事件でもそうですが、どこか男性たちは性に対して、女性はイヤではないとか、こんなことは大したことではないとか思っている節を感じます。
もちろん、そんな男性ばかりではないでしょうけれど、伊藤詩織さんの時もそうですが、判決を見る限り「なんだかなぁ」と思ってしまうのは私だけでしょうか。
ラジオドラマ
2月6日は出身ライターの森治美さんの命日。毎年その時期になるとお花をお持ちくださる受講生の方がいらっしゃいます。
今日も授業においでになってお供えしてくださいました。ありがとうございます。
亡くなって8年、あっという間に月日は流れていきます。
森治美さんは、ラジオドラマ講座を受け持ってくださり、ざっくばらんの性格とマイクも使わない大声の迫力ある講義に魅了された受講生の方はたくさんいらっしゃいました。
20枚シナリオ「新井一賞」の審査員もしてくださいました。
テレビもラジオドラマも戯曲も描いていた森治美は、「ドラマ脚本の書き方」という本を2008年に上梓しました。
テレビドラマ・映画とラジオドラマの作り方を比較してという技術書です。
新井一を父としても慕っていた彼女は、新井一の「どう描くか」を受け継いで、徹底して平易な言葉でわかりやすくということを念頭に創り上げました。
ですが、あんまり売れなくて絶版になってしまいました。
森治美亡き後、ラジオドラマに関する本がほとんどありませんでした。
欲しいという方の声に押されて、森治美の「ドラマ脚本の書き方」を基にラジオドラマの第一人者(NHKで始めてラジオドラマを創られた方です)堀江史朗氏の「ラジオドラマの書き方」も加えて、新たに2022年「いっきに書けるラジオドラマとテレビドラマ」(言視舎)を出しました。
これが、シナリオ・センターが教えるラジオドラマの根幹になっています。
ラジオドラマは、聴覚。テレビ、映画は視覚。
「聴覚だけの表現」と「視覚の表現」の違いがつぶさにわかる本にしました。
ラジオドラマには、柱がありません。
例えば(「いっきに書けるラジオドラマとテレビドラマ」から抜粋)
〇木造アパート全景
〇同・2階廊下
突然ドアが開いて、若い男が飛び出してくるし、
廊下を走り階段を駆け下りていく
というシーンから書き出しとすると、テレビで見る限り、どの程度のアパートで、男はいくつくらいで服装などもみながら大体の人物像が認知できます。
ところが、ラジオドラマでこれを表現しようとすると「ドアが開く音。廊下を走り、階段を駆け下りる音。」しか表現のしようがありません。
さて、どうやってわからせるのでしょう。
ラジオドラマは、想像力を掻き立てるように描かないと伝わりにくいですが、その分、宇宙でも海外でもどの場所でも、どの時代でもなんでも描けるのが魅力です。だから、楽しい、だから面白い。
そんなラジオの魅力を一心に伝えていたのが森治美です。
是非、ラジオドラマにも挑戦してみて下さい。
ちょうど2月、3月に、出身ライターの方々の放送があります。
水城孝敬さん,葉月けめこさん・三谷武史さん,青山ユキさん,豊田 愛さんNH-FM 青春アドベンチャー「ストーリーボックス ザ・マネー」 2/3 (連続4回21:30~
新井まさみさんNHK-FM FMシアター「夜の学び舎に燈ともりて」2/15 22:00~
入江信吾さんNHK福岡放送局-放送100年福岡発ラジオドラマ「JOLK~戦時下を生きたアナウンサーたち~』公開収録3/9 14:00~
ラジオドラマの醍醐味をお楽しみください。
ラジオドラマ講座は、森治美さんが亡くなった後も、何人かの講師が今も彼女の遺志を受け継いでいます。
今年は6月に行いますが、森治美の遺志が脈々と続いています。