あなたの創作をサポートするコーナー「シナリオサプリ」。
今回は、「物語の冒頭はどう書けばいいんだろう?」という症状でお悩みの患者さんです。
シナリオ・センター創設者の新井一は、“シナリオドクター”として、書き進められない人を救助すべく、『シナリオ診断 ER(救急)相談室』を実施していました。
その想いを引き継ぎ、こちらのコーナーでは、創作中に抱える“症状”に効く“サプリメント動画”をご紹介。効能や副作用もお読みになった上で服用してください。
「物語の冒頭はどう書けばいいんだろう?」という症状のとき
・症状
『シナリオの基礎技術』(新井一著/ダヴィッド社)や『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(新井一樹著/日本実業出版社)にもあるように、物語を書き始める前に「構成(起承転結)」をちゃんと考えた。
そして、冒頭となる「起」では
①「天(情勢)・地(場所)人(人物)を紹介すること。
②“転”の部分で伝えたいことの逆 “アンチテーゼ”から始める。
――ということもちゃんとおさえた。
だけど、いざ書こうとすると、出だしがうまく書けない。
冒頭から読者・視聴者・観客を惹きつけるには、どんなふうに物語を始めていけばいいんだろう?
・処方箋
こんな症状でお悩みのアナタには「ハリテ・ナーゼ」を処方いたします。
▼サプリメント動画をご覧ください。
02_受け手の心をどっちでつかむ?ファーストシーンの書き方
今回お出しするサプリメントは「ハリテ・ナーゼ」
・効能
「ハリテ・ナーゼ」を服用していただくと、描きたい物語の世界観に合わせて、出だしを「張り手型」にするか「撫ぜ型」にするか、“物語の入り方”を選べるようになります。
「張り手型」は、視聴者を驚かせたり、疑問をもたせて、興味を一気に引き込む入り方。
例えば、サスペンスドラマを描きたいとき。
主人公が血の付いたナイフを持って呆然としている。
例えば、アクションドラマを描きたいとき。
ショッピングモールで、主人公が敵に追われながら全力疾走している。
例えば、コミカルな恋愛ドラマを描くとき。
主人公が白無垢姿で信号待ちしている。
「撫ぜ型」は、物語の場所や人物を、順序立てて説明していく入り方。
例えば、ホームドラマを描きたいとき。
「町の全景」→「主人公の家の外観」→「大家族の朝食シーン」→「もりもり食べる恰幅の良い主人公」
例えば、ちょっとドロドロしたメロドラマを描きたいとき。
「林立する高層ビル」→「活気のあるオフィス」→「ハキハキと電話対応する主人公」→「主人公を睨む同僚」
上記はあくまでも「例えば」ですが、「張り手型」「撫ぜ型」を知っていれば、
インパクトのある出だしにするか、
それとも、ゆっくりと物語の世界に誘うような出だしにするか、
描きたい世界観にあった冒頭シーンを考えることができるようになります。
そして何より、「出だしが書けなくて筆が止まる……」という状況にならずに済むのです。
・副作用
例えば「ミステリーだから、驚いてもらえるように冒頭は張り手型に決まってる!」「ホームドラマだから冒頭は撫ぜ型に決まってる!」といったように、世界観を重視するが故に、これまでも観たことがあるような、“ステレオタイプ”にならないように気をつけましょう。
※こちらもあわせて服用してください。
特に「張り手型」に関する注意事項が分かります。
▼トップシーン脚本大賞2022 春
今回処方したサプリメント「ハリテ・ナーゼ」。
用法・用量を守って正しくお使いください。
あなたの創作、お大事に。
※その他のサプリメント動画(『新井一、かく語りき』)はこちらで。
「自分の創作。どういう“症状”なのか、分からないことが分からない……」という場合は
シナリオ・センターの基礎講座(3種類)を是非ご受講ください。
まずは基本的な書き方&作り方をおさえましょう。
開講以来『むずかしいこともわかりやすく』をモットーにしています。
初心者から経験者まで、わかりやすく為になる講座です。“最初の一歩”として、各講座に向けた体験ワークショップもオススメです。
※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、オンライン受講も可能です。
詳しくは講座のページへ
・シナリオ作家養成講座(6ヶ月)
・シナリオ8週間講座(2ヶ月)
・シナリオ通信講座 基礎科(6ヶ月)