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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

向かう力

ら・かんぱねら

百姓一揆

シナリオ・センター代表の小林です。冷たい雨です。真冬に逆戻りの気候だけでなく、休日に行われていた令和百姓一揆にもっと寒くなりました。

「今まで30年も米価は上がってないわけ。とてもじゃないですよ。後継者なんかやらせられねよ。時給10円だぜ、考えられる?」 と令和の百姓一揆に参加された新潟の堀井さん。
「うそ!!」と思っていたら、2022年の国の統計によると、コメ農家の1年間の収入から経費などを差し引いた所得は平均1万円、時給換算で10円。愕然。
いやいや、それでも必死にコメ作りに励んでくださっているなんて、神としか思えない。本当に申し訳ないです。

さて、公約無視と居眠りしている国会議員の収入はいくらですか?
現在国会議員一人当たり、月130万1千円の歳費に文書通信交通滞在費や立法事務費、年間約635万円の賞与にJR、航空券の無料クーポン券、更には公設秘書の給与分、一人当たり月約573万円、年約7500万円の経費もらっているのだそうです。全部税金です。
日本の食料を支えてくれている農家が所得1万円なのにですよ。
何ひとつ対応せずにちゃっかり企業献金だけはもらって予算を通している居眠り議員たちが7500万円。
私たちはゼッタイNO!!を突き付けなくてはいけないのです。

日本の食料自給率は38%しかなく、輸入を止められたら、一億総餓死です。
それでなくても未来は暗い。
「後継者がいない、我々みたいに年寄りだけになる。後10年も経つと作る人がいなくなる。」と堀井さん。
すぐに減反政策の見直しなどをしなくては、日本は自ら滅びます。
武器なんか買って戦争どころの話しじゃない、その前に一億総餓死ですよ。
まずは足元をきちんとしなくてはいけません。
農家の皆さんの生活を守ることは、私たち消費者の暮らしにも繋がるのです。

「どういった政策が最もふさわしいのかわかりませんけれども、この食料品をはじめとする物価高対策、真剣に議論をして、国民に寄り添った政策をしっかり打ち出していくことも必要かなと」自民党松山参院幹事長のいかにも気にしているような発言ですけれど、よーく聞いてください。翻訳するとね、「お上は何もしたことないし、何をすればいいのかわからない、で、何もしないしできないんです」と言っているだけですよ。
もう我慢できない!ひっくり返しましょうよ、こんな世の中を!!

ら・かんぱねら

冷たい雨の中、出身ライターの洞澤美恵子さんと鈴木監督が、映画「ら・かんぱねら」のポスターとチラシを持っておいでくださいました。

この映画は、52歳の海苔漁師が、フジコ・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」を聴いて感動し、自分も弾きたいと猛練習をして、フジコ・ヘミングさんの演奏会の前座演奏をさせてもらったという実話を基にしたもの。
フジコさんから「あなたが上手に弾くから私がプレシャーかかるじゃないの」と褒められ、「奇跡のピアニスト」と呼ばれた徳永義昭さんがモデルです。
大人にも子どもにも勇気をくれるお話しです。

海苔漁師になって30年余、繁忙期が過ぎると気が抜けてパチンコ通いに明け暮れていた徳田が、ある日自宅で酒を飲んで寝ていた時に、つけっぱなしのテレビから情熱的なピアノの音色が流れ、今まで経験したことのないほどの衝撃をうけます。
「オイも、この曲弾いてみたか!」
それまでの人生では音楽とは無縁の生活。
楽譜が読めないのはもちろんのこと、ピアノの「ド」の位置も知らない彼が、妻や息子からも「弾けるわけがない」と猛反対を受けながら、1日4時間から8時間ピアノに向かい、練習を重ねて・・・。

フジコ・ヘミングさんがご逝去されたので、この映画では残念ながらフジコさんとの逸話はでてきませんが、実話を基に主人公を演じる伊原剛志さんは、実際に出演が決まってから徳永さんの様に1日6時間練習し、この映画の中で「ラ・カンパネラ」を実際に弾かれています。心意気は繋がるのですね。
そして、海苔漁師の徳永さんの実話を映画化するということで、佐賀の皆さんが協賛金1億2000万円も集めてくださり、撮影に関しても漁船の手配やセットの準備、三食の食事、エキストラの出演などオール佐賀の力を発揮してくださったそうです。
ひとつの映画が、多くの人の心をつなげていく、素敵なことですね。
鈴木監督は「皆が一丸となってもらえたのはシナリオがあったからこそ」と。
過日も書きましたが「侍タイムスリッパ―」もシナリオが製作者たちの気持ちを動かしてできた映画です。
なんといっても「シナリオありき」ですよね。(笑)
佐賀の先行ロードショーでは、「ドラえもん」を上回る人気だったそうですよ。
東京では5月上映の予定です。楽しみです。

余談ですが、私もフジコさんの「ラ・カンパネラ」のファンで、あの心を鷲づかみにするような情熱的な演奏が大好きで何回か聴かせていただきました。
しかし、最後のチケットはつかえないまま、終わりました。映画にも出ていただけたらと、ちょっと残念です。

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