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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きるということ

はじめちゃんの格言

厭世

シナリオ・センター代表の小林です。友人のお誕生日祝いランチをしてきました。一昨年、昨年と2年続けて親しい同年代の友人を4人も相次ぎ亡くしました。「元気で美味しいものを食べられる」ことは、めっけもののような気がします。
そんな想いで、亡き友人を偲びつつ、楽しく美味しく誕生祝いをしました。

それにしても、兵庫では、抗議して自死される方々がいらして、とんでもなくろくでもない世の中になってきているようです。
このような痛ましい抗議をしても、そこへ追い込んだ当の本人たちは平気でいる、一体どういう神経を持っているのでしょうか。
大好きな神戸ですが、足を踏み入れるのもなんだかいやな気分になります。
例の森友事件の赤木さんも開示された文書には一番大事なところが抜けていて・・・加藤財務大臣は「確認できず」と木で鼻をくくった答え。もうどこまで隠したいのかなぁ。
裏金で役職停止処分を受けていた萩生田光一氏は「企業・団体献金がなくなれば政治のダイナミズムが削がれる」ってどういうつもりで言っているんでしょ。
安倍さんと色々結託して旧統一教会も、加計問題も森友問題もすべて絡んでいるのに、この人たちには反省とか、悪気とか、他人への思いやりとかは微塵もなく、自分達の利益のためなら国を売ってしまうわけで、こういう人たちが当たり前の顔をしてお上の一角を担っていることが本当に信じられません。
厭世気分にどっぷりはまってしまう昨今です。

自分自身

昨今のドラマは、大上段に振りかぶってはいないのですが、ちょっと世の中を「この社会、どうなの?」というドラマが増えてきたように思います。社会派というのではなく。
4月期でいうと「対岸の家事~これが私の生きる道~」(TBS)とか「キャスター」(TBS)とか「夫よ死んでくれないか」(テレ東)「三人夫婦」(TBS)とかもそうでしょうか。「続・続最後から二番目の恋」も。
「かくあるべき」をやさしくちょっとねぇ違うんじゃねぇと言っている感じです。
1月期でも「おっ!?」思えるドラマが結構ありましたし、映画もそうですね。
朝ドラ「虎に翼」(NHK)の影響が大きいかもしれません。素敵なことです。
現在の社会を憂いている人が増えているということかもしれません。

ある雑誌で、「虎に翼」で一世を風靡した脚本家吉田恵理香さんのインタビュー記事を読みました。
「虎に翼」の寅子の生き方は、現代と照らし合わせても変わらない状況だからこそ多くの人が感銘を受けたかと思います。
吉田恵理香さんの作品は、吉田恵理香さんそのものというか、吉田さん以外は描けないと思うのです。
向田邦子賞を受賞した「恋せぬふたり」は、「他人に恋愛感情を抱くことがない、性的にも惹かれない」男女、いわば一般的ではない男女を描いています。
ドラマは、大声を出さずに、闘う姿勢をさりげなく描けるというのが素晴らしいと思うのです。それは俯瞰で見なければ描けない芸術だからかもしれません。
吉田さんは「これは時代の流れもあると思いますが、今キラキラなものを見せられた時、純粋にハッピーと感じられるのか?キラキラはインスタやほかの媒体に溢れています。不景気が続いて、みんなしんどくて、何か損しちゃっているという気持ちになることが多い今、いい人ほど無理して頑張っている。弱音を吐いたり、文句を言うのはわがままなのではと、いい人ほど生きづらい時代のような気がして。だから、怒っていい、不機嫌になっていいんだと思える作品を作りたい。みんな弱いまま、受け入れられる作品を描きたいと思っているのです。」
吉田さんの作家性ですね。

私は、ドラマを描く時、「面白いものをみつけよう、変わった設定はないか、他にはない題材はないか」と探すのではなく、「私はどう思っているのか、考えているのか」ということから始めた方がいいのではと思っています。
そうするとおのずと自分らしい、自分しか表現できないものを見つけられるのではと思うのですが。
「Theミソ帳倶楽部」なども活用して、プロの生き方をみるのもいいですね。

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