シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。古民家に行きました。
今年いっぱいで取り壊しになるからと友人に誘われたからです。
昭和の匂いのする外観。ガラガラと格子戸を開けると、そこはこじゃれたBARでした。落ち着きのあるレトロな雰囲気にすっかり魅了され、しかも薄明かりの中で男(しかもふたり)とこじゃれた古民家のBARで酒を飲む・・・ま、ちょっと久々にいい感じと、気もちよく飲んでいたら・・・。「ぎゃー!」
思わず悲鳴!横の壁を大きな大きなゴキブリが歩いて。いかにレトロだって、だから取り壊すんだっていったってねぇ。古きゃいいってモンじゃない。メンテナンスはしてよね。
しかもしかもです。男二人が、私より先に逃げた。「俺、ゴキブリ嫌い!」「バカ!私だって嫌いだ!」だらしがない!
最近の男の子は草食系と言われているけれど、案外おじさんもたいしたことないです。
やっぱり世間がいうように、女性の方が強いのかもしれません。
「そんな仕事ならやめちゃえば?本当にやりたいことを教えてくれる!オーバー30からの天職探し」(ソフトバンククリエイティブ刊)
出身ライターの阿部涼さんが書かれました。
金なし、コネなし、男なしの34才独女が、なけなし貯金98万円で挑んだ1年間の「本当にやりたいこと探し」の本です。
ま、すごいんですよ、阿部さん。転職19回。すべて実話。
大学を卒業してから就職した不動産屋では、交通事故にあい、新社屋の大手企業の受付になったら、新社屋に使用された新建材で、重度の科学物質過敏症で1年間の闘病生活。克服して保育園に就職したら、園児に強烈アタックされ腰椎骨折とどこまでの不幸な20代を送ったにも関わらず、「金なし、コネなし、男なし」の34才独女が1年間、悩める自分から逃げずに正面から向き合い「やりたいことをみつけて自分らしく生きていく」ために頑張ったお話です。
ホステスになってそこで出会った黒服Mさんに恋をした、山奥で心身鍛錬の修業し、真剣に自分と向かい合った、北海道の牧場で出産を放棄した牛を見て衝撃を受けた・・・で、生きているだけでいいのかもと思ったら・・・そこにやりたいことがみえた「ライター」。
年齢や他人のどう思われるかばかりに気をとられ、色々諦めていた彼女が、1年間の紆余曲折で動き出します。
挫折しても挫折しても、見えなくなれば見えるところにいくということはなかなかできません。
失敗ばかりのお話ですから、自分の将来を悩まれている方にはお勧め。生きていれば、見えてくるものがある。やりたいことのために頑張る自分を見つけられる本です。
シナリオライターなんて目指していていいのかなあ・・・と悩まれたら、是非お読み下さい。元気づけられると言うよりは、誰もが同じ悩みを持ちながら右往左往していることがわかります。でも、右往左往した先は、自分で見つけるもの。見つけられるもの。
私も、夢に賭けます。1億人のシナリオをめざして。女はつよいぜよ!