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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

共感を得るためにはどうすればいいか。2度観でシナリオ分析はいかが。

シナリオ・センター代表の小林です。この夏、天の神様は何をお考えなのでしょうか。昨日の竜巻も大変でした。お見舞い申し上げます。
天変地異は、どんなに人間が努力をしてもどうにもならないものですが、戦争は違います。人の心ひとつです。
みんなが同じような幸せを感じることは、それぞれの想いや考え方が違うので難しいですが、「お互いが違うのだ」「誰一人同じ人はいないのだ」「それぞれが唯一無二の存在なのだ」というところから発想すれば、小さな共通点を大きくすることはできるではないかと私は信じているのですが・・・。
 

たくさんの人に共感を呼ぶことは本当に難しいことです。
映像は、シナリオを書けば終わりではなく、役者さんや演出家さんを含めスタッフのたくさんの人が関わって創り上げますから、ある意味社会、世界の成り立ちと一緒かも知れません。
一緒に幸せを創り上げる先陣を切るのがシナリオとしたら、世界中の人に共感して思ってもらえるように書かなければなりません。でも、人はみな違うのですから、同じようにとらえてくれません。
だからこそ、新井が心砕いたのは、誰もが同じように想像できるシナリオの書き方です。この技術がシナリオ・センターの肝です。
それでも、何度もいいますが、人はひとりひとり違うのですから、受け取り方はまったく一緒になることはありえません。
でも、キャラクターがきちんとできていれば、行動ひとつセリフひとつ、このキャラクターならでは動きになりますから、ブレは少なくなるはずです。そんなことを心に留めながら書いてもらいたいと私は思っています。

八重の桜

昔のようにテレビの前で鎮座ましまして見てくれないから、説明が過剰になることは必要悪なのだとおっしゃるプロデューサーの方もいらっしゃいます。

過剰に押しすぎたり、説明しすぎたりという演出もあります。
そういえば、「あまちゃん」でも、薬師丸ひろ子さんが演じる鈴鹿さんが、「あの監督はアップばかりとるのよね」とバカにするシーンがありましたっけ。(笑)
ジェームス三木さんがよくおっしゃっているのは、視聴者に7割伝えて、3割は想像してもらうことが大切だいうこと。
押し付けがましいとむかつくし、説明されると面白さが半減されます。

私が、ちょっと残念だなあと思ったのは、毎週楽しみにしている「WOMAN」、視聴者の皆さんもそうだと思いますが、坂元さんの脚本のうまさに、暗―いお話にも関わらず魅せられています。
先週の「WOMAN」(坂元裕二さん脚本)では、エアあやとりをして母娘が心を通わせていくシーンがあるのですが、そこに子供の頃、本当にやったあやとり場面がかぶったんですね。
きれいなシーンではあったのですけれど、わかりやすくはなるけれど、エアあやとりのやりとりにこそ、見えないあやとりの中に見えない親子の絆を感じたかったと思いました。
もちろん、正解があるわけではありませんから、あくまで私の感じ方ですが。
でも、ジェームス三木さんのおっしゃるように、視聴者の感性、想像力をかきたてるることがドラマの肝だと私は思っています。 


「あまちゃん」を毎朝2回(7:30のBSと8:00からの地上波)みている話をしていたら、上手がいて、前田編集長は夜も含めて3回みているそうです。
私は、時間があるときは、土曜日の一週間分一挙放送見ます。一挙に見るとまた違ったドラマに感じられるのが不思議です。
大河ドラマ「八重の桜」もBS18:00、地上波20:00と2回観ます。山本むつみさんのシナリオのうまさに感心します。
2回観(み)は、いいですよ。2回目はナルホドこれだ・・・とツボの分析できます。
他人の感性はそれぞれですから、うまいドラマを見て、どういう見せ方、伝え方をすると、どう共感を呼ぶのかを知ることも勉強になります。一度お試しあれ! 

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