シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。オリンピックが東京開催に決まって、日曜日は号外が出ました。オリンピックにばかり目が向いて、東北の復興、福島の原発、忘れないで欲しいものです。
安倍さんが原発の収束に責任を持つみたいなので、大いに期待しましょう。ブロックしてあるってなんのことかわからないけれど。
これ以上福島の皆さん、被災地の皆さんを失望させないで下さいね。
今日のシナリオ・センター事務局は冷房を入れていません。秋です。
やっと暑い夏も終わりに近づいてきたようです。ちょっとホッ。
金曜日には、竹内一郎さん作・演出の「アチャラカ」を観にいきました。
昭和の喜劇王と呼ばれた古川ロッパさんのお芝居なのですが、古川ロッパさんは「人たらし」だったそうです。
ロッパさん主宰の『笑いの王国』は、森繁久彌さん、藤島一郎さん、三益愛子さん、轟夕起子さん、山茶花究さんなど昭和を彩る名優の宝庫でした。人を育てることが、お上手だったのでしょうね。
その血を色濃く継いだのが森繁久彌さんだそうです。
森繁さんは、山茶花究さんや三木のり平さんなど自分のまわりでもっとも怖い才能の持ち主を引き寄せて、彼らの魅力を利用して、ご自分が映えるようにしてきたのだそうです。
自分を売り込みたいと思うと、「我が我が」と前へ押しのけて行きがちですが、人は人に生かされることを森繁さんはよく知っていらしたのでしょう。
どんな職業であろうが環境であろうが、「我が我が」の人は嫌われますものね。
スターは、自分から光るのではなく、人から光らせてもらっているんですね。
シナリオの書き方も同じように思いました。作者のいいたいこと、想いを出しすぎると観ている人は引いちゃいますものね。
ドラマの中でさりげなく、知らないうちにすーっと感じさせられたら最高です。
サスペンスのラスト、崖の上の説明セリフは、水戸黄門の印籠と同じように定番ですが、面白いかといったら面白くはないです。あえて、崖の上にしないとね。(笑)
最近、テレビで美味しいものを紹介する番組が増えていますが、「まったりとして・・・」とか「日本一美味しい」とか千万遍の言葉を尽くされるよりも、思わず全部食べちゃったら、よほど美味しいのかと思います
ラーメンを食べているシーン、「うまい!」と言わせるのは理屈でどんぶりのおつゆを全部飲み干してしまうのが感覚表現です。
感性に訴えるというのは、映像の一番のあるべき姿のように思います。
さて、今月で「あまちゃん」も終ります。寂しい限りですが、クドカンさんのさりげない被災地の辛さの出し方・・・誰も語らない。すごいなあと思います。
ついでに、9月28日のお台場では「スナック梨明日お台場店」がOPENするとか。「あまちゃん」の漫画家青木俊直さんらが出演します。NHKではなく、ファンの集いだそうです。これこそが本当の人気、すごい。(笑)
オリンピックの蔭で、泣く人が増えないことを心から祈り、東北への福島への思いを途切れることなく、支援していきましょう。
「あまちゃん」!東北へ日本中の気持ちを連れてきて!