シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。明日からまた三連休。先週の三連休は台風騒ぎでしたが、今週はいかに。秋晴れだといいですね。
9月23日秋分の日は、シナリオ・センターは大忙しです。
119期シナリオ作家養成講座の説明会を行います。
説明会では、シナリオ・センターの授業、シナリオの技術が身につく方法を中心にお話しさせていただきます。
シナリオ・センターならではの独特の教育法は、現在500名強の出身ライターと即戦力になるライターズバンク若手ライター600名強の方々を生み出しています。
業界一ライターが活躍している学校として、おかげさまで引きも切らず、テレビ、映画、ゲーム、小説、アニメ、漫画原作、戯曲、ラジオドラマなど等と多岐に渡ってお仕事のオファーをいただいています。
それは、大御所ジェームス三木さん初め先輩ライターの皆さんが活躍して下さっているからにほかなりません。ありがたいことだと思っています。
なぜ、業界一多くのプロを生み出すことができるのかと訊かれることが多々あります。
もちろん、シナリオ・センターのポリシーである基礎技術習得の徹底こそが生み出したものなのですが、もうひとつ大きなヒミツがあります。
それは、創設者新井一が提唱してきたことですが、受講生(作者)が書かれた作品に対して「正解も持たない」からだと思います。
「正解を持たない」と言う意味は、「なんでもあり」と言うことではありません。
映像表現の技術は、しっかりとダメだしをします。でも、作者の感性を否定することはしないということです。
テレビや映画を観ていて「えー、これおかしい!」「よくわかんないよ」「全然つまらないじゃん」という感想をお持ちになったことはあるかと思います。
今大ブームの「半沢直樹」だって「あまちゃん」だって、「えー、これおかしい!」「よくわかんないよ」「全然つまらないじゃん」という方もいるのです。
ま、今「反半沢直樹」、「反あまちゃん」を掲げると「半ハラ」「あまハラ」に合うそうですけれど。(笑)
でも、人間ひとりひとり、すべて感性も考え方も生き方も違うのです。
「正解はない」と申し上げるのは、ここです。
私自身は、すべてのものごとに正解はないと思っていますが、そう思わない方もいらっしゃると思います。色々な考え方があっていいのです。
シナリオ・センターでは、作品について「これは違う」とか「おかしい」という目ではみない・・・これがシナリオ・センター流「正解を持たない」の術です。
よりよくご自分の作品を多くの人々に共感してもらえるように見せ方、伝え方に対しての指摘はします。
『こんなの書いても仕方ないよ』みたいな指導はしません。だから、多くのプロが育って行った。その方々の芽をつぶさずに育てていけた。「正解を持たない」精神からだと自負しています。難しく考えることはないのです。
楽しんで書いてもらいたい。ご自分が表現したいものをだせばいい。表現することは楽しいことです。
表現することはとても大事です。昨今のような「特定秘密保護法」などが生まれてきそうなきな臭い時代には、一人一人の表現力こそが必要なのです。
表現するためには、色々なことを知り、自分の考え、思いを持たなくてはできません。考えること、思うこと、感じること・・・創作の魂は、人としての生き方でもあると思います。