シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。爽やかな秋晴れではなく、台風の風(?)に吹き飛ばされそうになりながら、出かけました。
今日は、戯曲講座に参加された方々とともに、「恋せよ乙女」というお芝居の稽古場見学に行ってまいりました。
ゲネプロはわりと見る機会がありますが、稽古場での稽古そのものってなかなか拝見するチャンスがありません。
なので、なんかチャンスがないかなあと思っていたら、知り合いの演出家安井ひろみさんが、10月中旬に上演されるので、ご無理を言って稽古場風景、立ち稽古を見せていだけるようお願いをしました。
快くお引き受けいただき、約10人ほどのグループに分けて見せていただく算段ができました。
今日は、第1回目の見学会。ご親切に椅子も用意してくださって、駅木場の勝たす荷を陣取らせていただきました。
18日初日に合わせて、もう通し稽古に入っていました。
たくさんお役者さんが、所狭しとただ休みながら、ウロウロしているようにみえるのに、自分の出番になるとすーっと上手や下手にいったり、後ろ下がったり、舞台にみたてた椅子を出したり、引っ込めたり、もちろん演じたりと、まるで全員がひとつの意志のように動いているのが衝撃的でした。
よく蜷川さんが、役者にむかって灰皿を投げているシーンを拝見するのですが、安井さんは、灰皿を投げませんでした。(笑)
演技のダメ出しは、手取り足取りしながら、何度か言わせたり、舞台監督さんが動きを確認したりしながら、通し稽古は進んで行きました。
この舞台は、昭和の浅草六区のお話なので、ほとんどの出演者が浴衣でお稽古をしていました。
なんだかタイムスリップしたみたいな感覚になりながら、楽しく拝見しました。
稽古中は、おしゃべりもせず(できないわけで・・・)参加された方々は、じっくりと2時間近く集中して拝見させていただきました。
帰りには、皆さん「とても勉強になった」と感激してくださって、お願いした甲斐があったとホッとしました。
私も立ち稽古は20数年ぶりに拝見しました。
小田実さんではありませんが、「なんでもみてやろう」という精神は、創作を志す者には必要だとしみじみ思いました。
役者さんのセリフの出した方や、間の取り方、演技の仕方をみることは、書いたものをどう咀嚼してくれているかがみえます。
演出家が、「ここはこういう気持ちだから、こう演技して、セリフをいうのよ」というダメ出しを見ていると、いいにくいセリフ、受けにくい演技も見えてきます。
書き手が、舞台を想像して、スムーズに役者さんたちが動け、ひとつの動きになるようにしなくてはならないこと、とても勉強になりました。
立ち稽古を見せていただいた「恋せよ乙女」は、10月18日から22日まで。渋谷伝承ホールで。ローソンチケット(Lコード33255)
シナリオ・センター事務局に申し込めば、当日支払いで受付渡しもできます。