シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。何をやっているのか自分でわからなくなるくらい千客万来で、バタバタしている今週ですが、訪れてくださること、それだけでありがたいことだと思っています。
色々な方と様々なお話をさせていただくことが、大好きです。
他人と会う緊張感も大事だし、自分の知らないことを教えてもらえることが勉強になることはもちろんですが、私としては、ボケかかっている頭の活性化になることがなによりも嬉しい。(笑)
明日から「横浜みなと映画祭2013・秋 OLDandNEW」(10/18~20)が始まります。
そのオープニング上映に、出身監督の林海象監督の最新作「彌勒 MIROKU」フィルムオーケストラver,㏌YOKOHAMA」は上映されます。
19:00から赤レンガ倉庫 1号館ホール。
林監督の最初の映画多くのグランプリに輝いた「夢みるように眠りたい」は、まだシナリオ・センターにいらしたときに創られました。それからの活躍はご存知の通りで「私立探偵 濱マイク」は多くのファンを魅了しました。
今回の「彌勒 MIROKU」は、稲垣足穂の小説「彌勒」が原作になっています。
林監督は、少年の頃から稲垣垂穂を愛読し、映画監督になってからも「彌勒」の映画化を夢見て、独自に脚本を書かれていたそうです。
林監督のすごさは、ここにあります。創りたいと思われると、そこへ時間をかけてもひたすら突き進んでいかれます。
最初の「夢見るように眠りたい」のときもそうでした。その一歩一歩向かう姿に、賛同者が次々と現れるのです。
その情熱は、今も尚お持ちのようで、今まで誰にも映画化を許さなかった稲垣足穂のご遺族が映画化をお許しになったのは、林監督だったからこそだと思います。
私は、まだ拝見していないのですが、さすが天才林監督、色々な仕掛けをされています。
映画は、一部と二部に分かれていて、「第一部 真鍮の砲弾 少年編」では、林監督が教鞭をとられている京都造形技術大学の学生さんが「夢見る少年たち」を演じているそうです。
「第二部 墓畔の館 青年編」では、永瀬正敏さん、井浦新さん、佐野史郎さん等プロの有名俳優さんが「夢のなれのはての登場人物」を演じます。
この使いわけの妙が、稲垣文学さを生み出すのでしょうね。きっと。
もうひとつの仕掛けは、音楽。
映画に音楽が入っている「映画版」と映画に音楽が入っていない「生演奏版」が存在することです。横浜では、渡邊崇さん率いる「Sound on Film」の音楽家たちによる生演奏で上映されます。
さながらコンサートに近い上映会らしい・・・こんなことどなたも発想しませんよね。びっくり!!
しかも、映画が誕生した時代に戻そうと、観客のいる場所に行って上映する。全国ドサ周り巡業もされているそうです。
写真は、自ら運転して出前中の林海象監督です。
ウチでも上映していただきたいけど・・・無理かなあ。
まずはともかく、明日、林海象監督の新作を、横浜映画祭でみてください。