シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。またまた台風が近づいているようです。
困った・・・。今週末土曜日は、今年最後のシナリオ8週間講座の開講日です。
自然には逆らえないし、大島の方々を思えば、開講できるかどうかなんて、小さいことなんですけれど・・・。
とはいえ、シナリオを「書いてみたいなあ」って思ってくださっている方々の気持ちが折れるかと思うと、ちょっと悲しいです。
先週土曜日は、118期シナリオ作家養成講座の修了式でした。
ほとんどの方が、研修科へ進まれ、研修科の講師も事務局も嬉しい悲鳴を上げています。
ドラマの活性化が、受講生の皆さんの気持ちに火をつけているのでしょうか。
皆さんが、やる気マンマンなのが、とても嬉しいです。
書くという作業は、自分のなかでモチベーションを保たないと続かない作業です。
プロとしてお金をもらっても、途切れてしまうことがあります。
まして、先もみえない習作を書き続けることは、なかなか大変なことだと思います。
ひとりで、モチベーションを保つのは難しい。
どこかで背中を押してくれる人、支えてくれる人が必要なんですね。
それが、学校の使命だと私は考えています。
技術を教えることはもちろんですが、一番大切なことは、教えただけでは終らせない、それを保たせることなんですね。
「わかった」だけではダメなんです。「できた」だけではダメなんです。
変な言葉ですけれど「出来続ける」が大事なんです。
ING・・・継続です。
そのために学校があると思っています。
師だけではなく、仲間がいること。
仲良しだけでなくライバルでもあること。
学校にしかないものです。
「シナリオ」という共通のキーワードでつながった仲間たちが、背中を押し、支えてくれます。
講師が励まし、具体的なサジェスチョンをくれます。
励ましたり、泣いたり、笑ったり、怒ったり、ケンカしたり・・・。
人は誰でも唯一無二の存在。誰一人同じ人はいません。本質は孤独です。
だからこそ、他人を知ること、他人に伝えること、人から与えられることが必要なんですね。
書くことは、孤独な作業ですが、それを見てくれる人、読んでくれる人がいます。
表現をすることで、自分を知ってもらい、他人を知ることができるのです。
明日は、119期シナリオ作家養成講座の開講です。新たな出会いが待っています。
シナリオ・センターという学校を核にして、シナリオライターへの階段をご一緒に昇っていきましょう。そこには、仲間がたくさん待っています。
私の大好きだったコラムニストの天野祐吉さんが亡くなられました。
ラジカルな考えをお持ちなのに、表に出さず、普通の感覚を大切にしながら、常にどんな問題でも、軽妙な語り口で、ユーモアたっぷりに冷静沈着に、批評し続けてきた方です。
あの語り口を学びたいといつも思っていました。
大事な方を亡くしました。合掌。