シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日は紅茶の日ですって。
シナリオ・センターの日にしたい。(笑)
だって、一は、新井一の一ですもの。
「どんだけ愛されているんだ、新井一は」って思うことがあります。(笑)
センターの講師は、「新井一のノウハウの踏襲」に使命を持っているし、昔新井の映画を観た方は思い出してくださるし・・・。
出身ライターの方は、必ず「新井先生」のおかげとおっしゃるし・・・多分、新井にとっては「おかげ」という言葉は、一番嫌いな言葉だとは思いますけれど。
新井は、常に「シナリオのイロハは教えたけれど、プロとして活躍しているのは本人の力以外なにものでもない」といっていましたから。
自分にできることは、ただシナリオの技術をしっかりと身につけられるように、わかりやすく教えることだけだというのが新井の持論でした。
そのために、新井はわかりやすい映像表現の技術を、何万もの添削を通して創り上げたのです。
「八重の桜」で「板垣死すとも自由は死なず」と板垣退助が倒れましたが、「新井一死すともシナリオの技術は死なず」です。
新井が亡くなっても、シナリオを教え続けられるのは、新井がちゃんとした「シナリオのノウハウ」を遺してくれたからです。
大きな遺産をこれからも踏襲し、新井の目標である一億総シナリオライター化めざして、一億人のシナリオプロジェクトも頑張ります。
「想像力」は、人の心の要だと思います。
瀬戸内寂聴さんは、他人(ひと)を想う心だとおっしゃいます。
「想像力」を育てるためにシナリオを広げたい、お教えしたいと最近強く思うようになりました。
ニュースを見てもおわかりのように、上に立たれている方々の「想像力」のなさには、あきれてしまいます。
先日、センターの最高齢者の生徒Aさんが「日本はもうだめね」と月謝払いながら、ポツリとおっしゃったことが忘れられません。
ある地方都市に、著名な経済界の方が講演にいらっしゃったときのこと。
街を走る市民の足である路面電車を見て「こんな汚い電車に誰が乗るんだ」、自慢の特産物をお出ししたところ「まずい!」とおっしゃったとか。
この言葉がそこに暮らす人々をどんなに傷つけるのか、想像もできないんですね。
こんな人達が日本を牛耳っているんです。日本がもうだめだというAさんの言葉、心に響きます。
「想像力」他人を想う心。
シナリオを書くということは、ドラマに出てくる人すべての性格、気持ち、動きを考えること。
それは、人を想う心です。
いいドラマには、愛があるから、見る人が感情をゆすぶられるのです。
今日は、11月シナリオ8週間講座の開講。
「想像力」が、新しい方へとまたつながっていきます。