menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

誰もが主役。誰もが違ってみんないい。

シナリオ・センター代表の小林です。連休の後ってなんとなくかったるい感じがします。別に遊んでいないのに。

 川喜多本読み

 小学4年生の姪の娘が、今週末の学芸会のために、母親が出席するいとこのハワイの結婚式に付いていかず、ひとり留守番を決めました。
出張がちのパパと祖父と私たち一家をウロウロしながらのひとり留守番です。
そこまでして・・・よっぽど良い役でもついたのか、ひょっとして主役かと思ったら、姪がボソッと、「セリフは一言しかないの」
姪曰く「誰もが多くて二言、主役はいないの。平等にしないと父兄が怒るからだって。台本読んだら、超面白くない。おばちゃん添削してあげてよ(笑)」
最近の傾向なのだそうです。
主役になれなかった子供の親からクレームがくるので、どれだけ平等にやるかが先生方の頭を悩ますところだそうです。
そういえば、幼稚園の先生をやっている友人が、「赤頭巾ちゃん」を学芸会で行うのに、赤頭巾が10人、狼が10人といっていましたっけ。
どうやって10人出すのよと聞いたところ、シーンごとに赤頭巾ちゃんも狼もおばあさんも変るんですって。だから10シーンは最低必要だそうで・・・。(笑)

おかしな話です。お芝居や映画は、みんなで創る、とても楽しい共同作業です。
主役だけいればできるものでもありません。役者だけでも脇役やちょい役、エキストラだって、必要。
誰が欠けても成り立ちません。

もちろん、スタッフも同じ。たくさんの役割があるし、それぞれの役割をみんなが力を合わせてやることで、すばらしい舞台や映画ができるわけですね。
芝居を作ることって、他人と密に接する、一緒に同じ方向へ向かう、それぞれの特長を活かす、共同作業の中でも、とても面白く楽しく為になることだと思います。

 

私は、子供たちに一番いい人間関係の勉強になることだと思うので、芝居作り、映画作りを提唱しています。
なによりも、色々な人の特技が活かせ、それぞれがそこの場で主役だからです。
そして、お互いに認め合うことができます。
手先が器用、絵がうまい、踊りができる、ピアノが弾ける、本が好き、妄想が得意、小物集めが趣味、人前に出るのが好き、おしゃべり、大声の持ちの主、カメラ好き、歌がうまい、料理が得意、人と出会うのが好き、犬猫動物好き、大工仕事が好き、花作りの名人etcetc・・・なーーんでもいいんです。
ちょっとドヤ顔ができることが一番いいですね。(笑)
お芝居や映画は、色々な人が関わらないとできません。
実は、みえないところでも、ひとりひとりみんなが主役で頑張ってこそなんですね。
子供だけでなく、もちろん、大人にもいいですよ。
過疎化になった商店街などの町興しや、団地・マンションなどの人間関係作りに、活性化に大いに役にたつでしょう。

 私は、小学校でシナリオを教えさせていただくようになって、ほんの一部のモンスターペアレントのために、神経をすり減らしている先生方をみてきました。
でも、お教えさえていただいた港区立麻布小学校では、子供たちが自らシナリオを作りたいと言い出しました。
歴史の勉強とあわせて、いくつかの時代へタイムトリップしながら、戦いの歴史を学び、「戦争は嫌なものだ」ということを知るというお芝居を作り、学芸会で発表しました。
時代ごとにグループで、シナリオ、衣装から背景、小道具、音楽、照明すべて子供たちがやりました。
それはそれは素晴らしい劇でした。
子供たちすべてが主役、それぞれの役割の中で、自分の力を信じることができ、仲間同士認め合うことができました
ものごとの一面しか見ない、その場しか見ないというのではなく、想像力を働かせて、その奥を見て欲しいものだと思います。
わがお上にもいいたいですけど・・・。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ